2014 Fiscal Year Annual Research Report
iTRAQ法による網羅的膜蛋白質の解析を用いた子宮平滑筋肉腫の新しい治療法の樹立
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25861491
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松崎 慎哉 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00467565)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 婦人科腫瘍 / 子宮平滑筋肉腫 / 化学療法抵抗性 / プラチナ耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
網羅的蛋白質発現解析により子宮平滑筋肉腫において特異的に発現している候補蛋白質を同定し、治療標的となり得る蛋白質としてATP7AおよびATP7Bを選別した。子宮平滑筋肉腫細胞株(SK-LMS, SKN, SK-UT1)を用い、ATP7AおよびATP7Bの発現をWestern Blotting法にて解析を行ったところSK-LMS細胞株においてATP7A、ATP7Bの強発現を、SKN細胞株においてATP7Aの強発現を認めた。臨床検体26例を用い、免疫組織学染色にて解析を行ったところATP7Aは20例(77%)で、ATP7Bは14例で発現を認めた(54%)。SK-LMS細胞株に対し、siRNAを用いATP7AおよびATP7Bの発現を抑制したところ、シスプラチンのIC50(50%阻害濃度)がそれぞれ17.0 microMから6.1 microM、4.3 microMへと有意に低下した(p<0.01)。これら、プラチナ感受性の改善の機序解明のため、シスプラチン暴露後の細胞内プラチナ濃度を計測したところ、ATP7AおよびATP7Bをノックダウンした状態では細胞内プラチナ濃度がコントロール株と比較し有意に上昇していたため(p<0.01)、ATP7AおよびATP7Bはシスプラチン取り込みや排出に関与していると考えられた。In vivoの解析やより詳細な機能解析を行うため、ATP7AおよびATP7BのshRNAをSK-LMSに対して遺伝子導入し、それぞれの発現を恒常的に抑制したSK-LMS ATP7A shRNA株およびSK-LMS ATP7B shRNA株を樹立した。 本研究期間において、in vivoの解析を行うことができなかったため、今後in vivoの解析を行う予定である。また、ATP7AおよびATP7Bの阻害剤の作成を行いATP7AおよびATP7Bを治療標的とした治療法を開発していく予定としている。
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[Journal Article] Annexin A4-conferred platinum resistance is mediated by the copper transporter ATP7A2014
Author(s)
Matsuzaki, S. Enomoto, T. Serada, S. Yoshino, K. Nagamori, S. Morimoto, A. Yokoyama, T. Kim A. Kimura, T. Ueda, Y. Fujita, M. Fujimoto, M. Kanai, Y. Kimura, T. Naka, T.
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Journal Title
Int J Cancer
Volume: 134(8)
Pages: 1796-809
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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