2014 Fiscal Year Annual Research Report
子宮体癌に対する腹腔鏡下近赤外イメージングによるセンチネルリンパ節生検
Project/Area Number |
25861492
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 栄仁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50614773)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 婦人科腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初開腹の症例も合わせて行う予定であったが、開腹症例のICGを用いたSLN同定率は2/6(33%)と非常に低く骨盤深部での観察に、開腹用のICG検出機器(Hyper eye medical system:瑞穂医科工業)は不適と判断し、腹腔鏡のみでICGを用いたSLN生検を行う方針とした。症例を増やすために子宮体癌のみでなく子宮頸癌症例にもICGを用いたSLN生検を行う方針とした。 I期子宮頸癌11例及び体癌7例で腹腔鏡下手術を行った18例を対象とした。手術開始前に子宮頸部4方向にパテントブルー色素および希釈ICGを2-4ml注入し、医療用内視鏡であるInfra Red Imaging (IRI;オリンパス株式会社)を用い腹腔鏡下でSLNを検出した。ICGの濃度に関しては過去の報告から500μMが指摘濃度とする報告があり、我々も500μMで本試験を行った。SLN生検を行った後は通常の系統廓清も行った。ICG法と色素法を併用実施した症例14例中ICG法で12例(85.7%)、色素法で8例(57.1%)にSLNの同定が可能あった。両側のSLNの同定が可能であったのはICG法で10例(71.4%)、色素法で3例(21.4%)両群間に有意差が認められた(p=0.02 Fisher's exact test)。OSNA法に関しては最終的に症例数を増やしてまとめて検査を行う予定にしており、分割したリンパ節はまだ冷凍保存している段階である。いまだ症例は少ないもののICG蛍光イメージング下での腹腔鏡下SLN生検は色素法のみでは認識困難であったリンパ管やリンパ節が容易に認識できたため、期待の持てる新しい手法と考えられる。今後症例をさらに集積して、検査の精度を検討したい。
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