2014 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜の脱落膜化におけるMn-SOD発現に関する新たな転写調節経路・機構の解明
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25861495
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田村 功 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40610663)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子宮内膜 / 脱落膜化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト子宮内膜において、着床に不可欠な現象として、子宮内膜間質細胞の脱落膜化という変化がある。この過程においては、細胞の機能や代謝亢進に伴い活性酸素が発生する。しかし、子宮内膜間質細胞では活性酸素消去酵素の1つであるmanganese superoxide dismutase (Mn-SOD)が誘導されるために、ミトコンドリアで発生する活性酸素は消去され、細胞の生命維持機構が保たれる。しかし、このMn-SOD発現調節機構は充分解明されていない。我々は昨年度、子宮内膜間質細胞の脱落膜化において重要な役割をはたすmanganese superoxide dismutase (Mn-SOD)遺伝子発現に関する調節機構について、転写因子C/EBPbの関与に加え、epigenetic調節機構の関与が存在することを明らかにした。今年度は、Mn-SOD遺伝子を他の脱落膜化関連遺伝子(IGFBP-1、PRL)と比較検討した。これにより、Mn-SOD遺伝子は他の遺伝子に比べ、H3K27acやH3K4me3といった活性化ヒストン修飾がより高度に存在することがわかり、常に活性化クロマチン構造を呈していることがわかった。このことは、活性酸素の消去という細胞の生命維持に重要な役割を果たす遺伝子であるMn-SODが活性化されやすい状況になっていると考えられ、生体にとって合目的な発現調節機構が備わっていると考えられた。
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