2013 Fiscal Year Research-status Report
HTLV-1キャリア妊婦の血中ウイルス量と母子感染成立に関する研究
Project/Area Number |
25861497
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
築山 尚史 長崎大学, 大学病院, 助教 (50619476)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HTLV-1 / ウイルス量 / 母子感染 / キャリア妊婦 |
Research Abstract |
本研究の目的は(1)HTLV-1キャリア妊婦の血中のHTLV-1ウイルス量を定量すること、(2)HTLV-1キャリア妊婦のHTLV-1ウイルス量と母子感染成立の有無を検討すること、である。 (1)ウイルス量定量について:これまでにHTLV-1キャリア妊婦と診断され、検体が集積できたものは165例だった。165例中113例のHTLV-1プロウイルス量測定を行った。HTLV-1キャリア妊婦の妊娠30週頃のプロウイルス量は0~617 /104 cells(中央値20.0/104 cells)だった。分娩直後のプロウイルス量は0~196 /104 cells(中央値13.1 /104 cells)で、妊娠中と比較して分娩後のHTLV-1プロウイルス量は有意に減少していた(Wilcoxon signed rank test, p<0.05)。妊娠30週頃のHTLV-1プロウイルス量とHTLV-1抗体価は正の相関を示した(Pearson correlation coefficient r=0.968)。 (2)HTLV-1ウイルス量と母子感染成立の有無の評価に関して、まず感染ルートを推察するために、キャリア妊婦の選択した栄養法についてアンケート調査を行った。現在、165例のキャリア妊婦のうち、144例より返答を得た。完全人工栄養を選択したものは107例(74.3%)、3ヶ月未満の短期母乳栄養は25例(17.4%)、3ヶ月から6ヶ月未満の中期母乳栄養を選択は2例(1.4%)、6ヶ月以上の長期母乳栄養は7例(4.9%)、凍結母乳は1例(0.7%)、その他(凍結母乳+人工栄養)は2例(1.4%)だった。母子感染の成立の評価を行うために、平成26年度より長崎県内の小児科施設にアンケート調査を行い、妊娠中のHTLV-1ウイルス量と母子感染成立の有無について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究計画としていたHTLV-1キャリア妊婦の検体集積、ウイルス量測定を予定通り順調に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、HTLV-1キャリア妊婦の血液検体を集積するとともに、血中ウイルス量測定を行う。またキャリア妊婦の選択した栄養法についても調査を行う。 キャリア妊婦から出生した児は平成26年度以降に3歳を迎えるようになり、小児科で母子感染成立の有無について検査が行われる予定である。母子感染の成立の評価を行うために、長崎県内の小児科施設にHTLV-1母子感染成立の有無に関するアンケート調査を行い、妊娠中のHTLV-1ウイルス量と母子感染成立の有無について検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでに検体の集積を計画通りに行い、検査を施行しているが、すべての検体処理を終えていない。また、母子感染成立に関する解析も終えていないため、予算をすべて執行できていない。 次年度は残りの検体処理、解析を行うため、予算を執行できる予定である。
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Research Products
(9 results)