2013 Fiscal Year Research-status Report
子宮体癌におけるEMT機構の解明とこれを標的とする新たな内分泌療法の意義の確立
Project/Area Number |
25861503
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森 泰輔 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00569824)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 子宮体癌 / エストロゲン関連受容体 |
Research Abstract |
(目的)エストロゲン関連受容体(ERR)はエストロゲン受容体(ER)と類似した構造を有するが、リガンドが同定されていないオーファン受容体である。子宮体癌におけるその発現意義や活性化機序は明らかではない。(方法)(1)倫理委員会の承認と患者の同意を得て、子宮体癌53例のERR発現について免疫染色を用いて評価した。(2)子宮体癌細胞株にERR過剰発現させ血管内皮細胞増殖因子(VEGF)発現および機能に及ぼす影響を検証した。(3)siRNAによるERR抑制実験によりVEGF発現、血管新生能、増殖能についてリアルタイムPCR、ELISA法、HUVEC増殖実験、HUVEC血管新生能実験、細胞増殖実験、フローサイトメトリー法を用いて評価した。(結論)ERRは臨床進行期の進行例により強く発現しており、類内膜腺癌に比較し漿液性腺癌で強く認めた。また使用した子宮体癌細胞株でERRを過剰発現させるとVEGFの転写活性は有意に上昇した。ERR高発現細胞株においてsiRNAを用いてERRを抑制させると、VEGF発現はリアルタイムPCR法、ELISA法とも有意に減少した。ERRを抑制させた状態では血管新生能や細胞増殖能についても著明に抑制された。フローサイトメトリー法を用いた細胞周期漢籍ではG2-M期細胞が10%増加した。(結論)ERRは血管新生や細胞増殖を促進することで子宮体癌の進展に深く関与していることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定と若干の変更はあるも新たな知見を得ており国内外の学会で発表予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
xenograftモデルやリガンド候補となる化合物を用いての抗腫瘍効果について検討する。新たな標的因子の同定や抗腫瘍効果の分子生物学的機序の解明を目指す。
|