2015 Fiscal Year Annual Research Report
婦人科癌におけるスタチン投与が腫瘍局所免疫に与える影響
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25861507
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西尾 咲子 慶應義塾大学, 医学部, 研究員 (00570011)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スタチン / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、Simvastatinが担癌C57BL/6マウスにおいて、所属リンパ節での腫瘍抗原特異的なCD8陽性T細胞誘導が上昇することを示したが、本年度は、この現象の一般性をさらに検証した。Statin製剤Aを用いて、検証したところ、Simvastatinと同様にCD8陽性T細胞誘導が上昇することがわかった。また、Balb/cマウスでも検証したところ、statin製剤投与によって、同様に腫瘍抗原特異的なCD8陽性T細胞誘導が上昇することがわかった。また、これらのT細胞誘導は、Statin製剤を高容量で投与すると、むしろ抑制されてしまうことがわかり、用量が重要であることがわかった。次にこのT細胞誘導のメカニズムを検証するために、腫瘍組織内の免疫細胞をFACSを用いて解析した。その結果、樹状細胞、マクロファージの腫瘍浸潤数には変化がなく、Statinの標的となる細胞は、他にあると考えられた。以上より、statin系薬剤は、様々ながん種において免疫抑制的環境を改善し、抗腫瘍T細胞応答を増強できる可能性が示唆された。
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