2014 Fiscal Year Research-status Report
卵巣明細胞腺癌のクロマチン再構築因子を介した発症機構の解明と新規治療戦略の構築
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25861515
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
上川 篤志 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (60534253)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 卵巣がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、新規がん抑制遺伝子であるARID1Aの機能解析から卵巣がんを中心に新たながん治療戦略へ生かすことである。平成26年度は、申請時の研究計画に従い、平成25年度に同定したARID1Aの標的遺伝子と相互作用因子についてその細胞内における役割を検討した。ARID1Aの標的遺伝子は、ARID1Aの過剰発現系およびノックダウン系におけるDNAマイクロアレイ解析により候補となる遺伝子をピックアップしていた。抽出された数十個の変動候補遺伝子についてプライマーを設計し、リアルタイムPCR解析によりマイクロアレイデータの検証を行い、真に変動している遺伝子を絞った。同定された遺伝子群は、ノックダウンによる細胞機能への変化、あるいはChIP解析による変動遺伝子プロモーターへのARID1Aの結合状態を解析した。一方、ARID1Aと相互作用する因子の解析は、昨年度に同定した因子についてARID1Aのdeletion mutantを用いて結合ドメインを決定し、その結合が特定の条件下で増加し、細胞機能に変化を与えることを突き止めた。昨年度から行っていた結合因子の同定に少々時間がかかった関係で補助事業期間延長の申請・受理を経て、平成27年度までに本研究課題で計画していた研究を遂行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ARID1Aの相互作用因子の同定に時間がかかり、計画にやや遅れが出ていたため、補助事業機関延長の申請を行い、平成27年度までに計画していた研究を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ARID1Aのがん抑制機能について標的遺伝子の同定と相互作用因子の解析からARID1Aの重要な機能が浮き彫りとなってきた。今後は、これまでの解析でARID1Aのがん抑制機能を担う重要なドメインが同定できたことから、このドメインを介したがん抑制機構についてin vitro、in vivoの両面からの証明を行い、成果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
研究費は、研究計画通りに支出してきたが、効率よく使用してきたため若干の残額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
補助事業の延長に伴い、最終的な実験となるARID1Aとその結合因子との相互作用によるがん抑制機能について証明するための抗体などの購入に充てる予定である。
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