2014 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部扁平上皮癌の癌幹細胞マーカーCD44 isoform変化は悪性度を規定する
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25861523
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
川嵜 洋平 秋田大学, 医学部, 助教 (00644072)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / CD44 / 放射線 / 予後因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部扁平上皮癌において放射線療法は生命予後の改善に大きく貢献してきた。しかし放射線耐性のものや、肉眼的に根治したものでも再発、転移を来しているものも多い。その原因として癌幹細胞の存在が指摘されているが、そのマーカーの一つがCD44である。CD44には約20種類のisoformが確認されている。しかし、それぞれの働きは不明な点が多く、CD44std、CD44v6、CD44v3が癌幹細胞様の働きをしていて予後不良の因子であるという報告や、全く逆の報告もある。本研究では、放射線照射によってCD44のisoformが変化して悪性度に寄与し、再発、転移の原因となっているのではないかと考えた。5種類の頭頸部扁平上癌細胞株に連日2Gyの放射線照射を行い、合計60Gyに到達した段階で、それぞれの細胞株のCD44発現パターンをフローサイトメトリーを用いて解析した。それぞれisoformの発現に差はあるが、全ての細胞株においてCD44stdの減少を認めた。更に、CD44v6の上昇を確認できた細胞株もあった。CD44v3は大きな変化は認められなかった。放射線照射によってisoformの変化が起こっている事が確認された。しかし、放射線照射によって耐性をもった細胞株で共通して上昇したisoformを確認する事はできなかった。現在、in vitroにおいて遊走能や浸潤能の評価中であり、in vivoにおいては同所移植を行い造腫瘍能や転移能を評価中である。CD44std、CD44v6、CD44v3の個々の働きも検討する必要がある。 また、頭頸部癌に関する予後因子に関連してREG-1やPPARγで生検検体を用いて免疫染色を行い、REG-1が高発現しているもの程予後が良い事を明らかにした。
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