2015 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的手法による本邦中咽頭扁平上皮癌の予後リスクの層別化
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25861531
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齊藤 祐毅 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40611009)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中咽頭癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は引き続き中咽頭癌の予後リスク、発癌リスク分類について研究を進めた。日本人のHPV関連中咽頭癌の発癌リスクは欧米と比較し、少ないことに注目し、HPV感染と関連するTP53の遺伝子多形と中咽頭癌症例に関する検討を行った。結果TP53の遺伝子多形の頻度はこれまでの民族的な報告よりは高いように思われたが予後との関連は認めなかったことをORLにて報告した。また予後陽性群であるp16陽性中咽頭癌に対する低侵襲の根治治療として導入化学療法の検討をすすめ、結果これまでの欧米の報告とほぼ同等の予後を呈し、また低い後遺症であることLaryngoscope Investigative Otolaryngologyにて報告した。 また、ウィルス発癌である上咽頭癌に関しても注目し、本邦上咽頭癌患者におけるp16発現、およびEBV発現とHPV発現の関連に関しても研究をすすめ、その結果の一部をJapan-Taiwan Otolaryngology-Head and Neck Surgery Conferenceにて報告した。現在論文投稿準備中である。その他上顎癌に関してもHPV関連の有無に関して検索した。ごく一部にp16陽性所見が得られたが、HPV発現は認められなかった。これまでのところ頭頸部癌とHPV発現に関しては中咽頭癌以外にはあまり関連がないものと考えられた。 今後は予後リスク分類として、宿主の免疫応答に注目し研究をすすめる予定である。
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