2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861538
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
遠藤 一平 金沢大学, 大学病院, 助教 (30547154)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / ミセル |
Research Abstract |
頭頸部癌に対するミセル化薬剤の有用性の検証として、オキサリプラチンとミセル化オキサリプラチン(NC-4016)を比較検討した。ヌードマウスに舌癌細胞株を移植したモデルマウスにおいてNC-4016はオキサリプラチンと同等以上の抗腫瘍効果を認めた。またラットに2種の薬剤をそれぞれ投与したところNC-4016で優位に神経毒性抑制効果が認められた。以上のことから、NC-4016の頭頸部癌への治療戦略としての可能性を証明することができた。またシスプラチンのミセル化薬剤(NC-6004)についても同様の研究を行った。舌癌細胞株(OSC-19)をヌードマウス舌に移植、頸部リンパ節転移モデルを作成した。シスプラチン、ミセル化シスプラチンを腫瘍周囲粘膜に局注した。移植後35日目に頸部リンパ節転移の有無を評価した。同様の実験系で、薬剤投与後頸部リンパ節内のプラチナ濃度を継時的に測定した。ミセル化シスプラチン投与群(12.5%)ではコントロール群(87.5%)、シスプラチン投与群(37.5%)に比べて有意に頸部リンパ節転移を抑制した。薬剤投与後のリンパ節内プラチナ濃度に関してもミセル化シスプラチンがシスプラチンに比べ高く、リンパ移行性が高いことが判明した。ミセル化シスプラチンは、従来のシスプラチンに比べてリンパ移行性が高く頸部リンパ節転移制御に有用であった。以上の研究からミセル化薬剤の頭頸部癌での有用性を証明することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
頭頸部癌の腫瘍血管を標的とした治療法として、マウスを用いた研究を行った。2種のミセル化薬剤(ミセル化シスプラチン、ミセル化オキサリプラチン)と従来薬を比較検討した。ミセル化薬剤が同等以上の抗腫瘍効果を示す一方、有害事象の軽減を認めた。後述する学会発表、論文掲載も果たすことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍血管に対する治療の付加を加えて、化学療法の効率向上へつながる研究を予定している。そのために腫瘍血管正常化をうながすとされるTGF-β薬剤、R-Ras等の効果とミセル化薬剤の併用について検討する。腫瘍血管を正常化することで薬剤の腫瘍組織への集積性の向上、抗腫瘍効果の向上を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度はTGF-Bを用いた研究を行う予定であったが、ミセル化薬剤の研究を優先したため平成26年度に行うこととしたため 腫瘍血管正常化理論に基づく研究のため、TGF-β試薬、同阻害薬の購入する予定である。
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