2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岡本 昌之 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (90464057)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 転移 / 浸潤 / ケモカイン |
Research Abstract |
種々の口腔咽頭癌の手術摘出標本を用いてCCR3、CCR4の発現を免疫組織染色にて検討し、TNM分類、予後、転移の有無、再発の有無に関して統計学的検討を行った。CCR3、CCR4発現の有無とリンパ節転移の有無(TNM分類)において有意差がみられた。 口腔咽頭癌細胞株やその抗癌剤耐性株におけるCCR3の発現をリアルタイムPCR法を用いたmRNAレベルで検討した。抗癌剤耐性株においてはCCR3の発現が亢進していることを確認した。 口腔咽頭癌細胞株(IMC-3)細胞においてCCR3,CCR4それぞれのLigandであるCCL11,CCL22を作用させたところ細胞の形態が変化し、fillopodia様の突起を伸ばす細胞が多く観察されたことはこれまで確認していたが、さらにinvasion assay を行い、Ligandの刺激によりIMC-3細胞の浸潤能亢進していることを確認した。 また、CCR3,CCR4それぞれのsiRNAにてknock downさせると、IMC-3細胞の浸潤能が低下することも確認できた。今年度の実験にて、口腔咽頭癌とその浸潤能、リンパ節転移能とのかかわりが明らかになってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科学研究費により、ケモカインレセプターを免疫組織染色するための良い抗体を購入することができたため、病気分類、予後との関係をすみやかに検討することができた。 また、それぞれのケモカインレセプターに対するsiRNAの購入により、口腔咽頭癌細胞株におけるノックダウンの系で、ケモカインレセプターの役割(浸潤能)との関係を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔咽頭癌細胞株にケモカインのリガンド、siRNAを作用させることにより、癌細胞の増殖能との関係を明らかにすることにより、腫瘍の増大傾向(T分類)との関係を明らかにする予定である。また、抗癌剤耐性株においてもその耐性株の機能とケモカインレセプターとの関係を明らかにしたい。 ケモカインからのシグナルが入ったときの細胞接着因子の発現量との関係を細胞免疫染色、ウェスタンブロッティングを用いて評価する予定でいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
比較的実験がスムーズに進んでおり、試薬、スライドガラス、抗体、invasion assay のチャンバーなどの消費量が少なくて済んでいるため。 次年度でさらなる機能解析のために必要な実験機材、試薬を購入し、口腔咽頭癌細胞株におけるケモカインレセプターの増殖能との関係、転移のメカニズムを明らかにしていきたい。
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Research Products
(1 results)