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2013 Fiscal Year Research-status Report

OTOF遺伝子変異による難聴のデータベース構築とOAE消失メカニズムの解析

Research Project

Project/Area Number 25861544
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionShinshu University

Principal Investigator

鈴木 宏明  信州大学, 医学部, 助教 (00419368)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords遺伝子 / 難聴 / Auditory Neuropathy
Research Abstract

本年度は日本人難聴患者におけるOTOF遺伝子変異の頻度やその種類を明らかにすることを目的とした研究を行った。当施設でおよび共同研究施設より高度~重度の非症候群性難聴症例のうち、孤発例もしくは劣性遺伝形式をとる先天性難聴患者160名(難聴原因が特定されていない症例)対象として、OTOF遺伝子の変異解析を行った。OTOF遺伝子変異による難聴の場合、生後数年はOAEが検出されAuditory neuropathy spectrum disorder(ANSD)の臨床像を呈するが、その後OAEが消失し、通常の感音難聴の臨床像をとると言われているため、解析をおこなった母集団はANSD患者だけではなく、通常の感音難聴患者を対象とした。末梢血より抽出されたDNAを用い、OTOF遺伝子のスプライシング部位を含む全エクソン領域を直接シークエンス法により解析した。病的変異の判断は、変異の種類、家系内での整合性、コントロール群における頻度などを検討して行った。
今回変異検索を行った160人中3名にホモ接合体、4名がコンパウンドへテロ接合体、9名がヘテロ接合体であった。よって、今回変異検索を行った160人中7名(4.4%)がOTOF遺伝子変異による難聴と考えられる。7名のうち2名は通常の感音難聴の臨床像を呈しており、ANSD患者のみならず通常の感音難聴患者においてもOTOF遺伝子の検索を行うことが必要であることが明らかとなった。また、日本人感音難聴患者の中には今回同定された遺伝子変異の多くが本邦独自の変異であり、他の遺伝子同様に他の人種とは異なる日本人独自の変異スペクトラムがあることが示された。特にp.R1939Q変異はfounder effectにより日本人において高頻度で同定される変異であることが示され、難聴患者におけるスクリーニングを行うことにより、診断率の向上が見込めると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定通り日本人難聴患者におけるOTOF変異の種類と頻度を概ね明らかにすることができた。今後、臨床像との相関に関して詳細に検討を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は、OTOF遺伝子変異患者におけるOAEの経時的変化に関する検討および、昨年度にcommon mutationであることが明らかとなったR1939Q変異を中心とし、さらに大きな母集団を対象としたより効率的なOTOF遺伝子変異のスクリーニングについての検討を行う。OAEが経時的に消失していくメカニズムは未だ明らかとなっていないが、その原因として、長期にわたり求心性刺激がなされないことにより、廃用性に外有毛細胞の機能が失われる事によると仮定した。これまでは人工内耳手術をおこなうと、術後のOAE消失は必発であったが、低侵襲手技および繊細な電極を用いた手術により、現在では内耳構造を温存しながらの人工内耳手術が可能となっている。平成25年度にOTOF遺伝子変異が同定された7例の中での人工内耳装用者を対象とし、術前、術直後、術後半年、術後1年、術後2年でのOAEを測定し、上記仮説の正否を検討する。また、OTOF遺伝子変異の大部分を占めるR1939Q変異をはじめとした平成25年度明らかとなった変異をスクリーニングとして用いることで、より効率的に難聴患者の原因検索が可能となると考えられる。原因の分かっていない難聴患者500名を対象にしてtaqmann法を用いたOTOF遺伝子変異のスクリーニングを行う。ヘテロ例に関してはOTOF遺伝子のスプライシング部位を含む全エクソン領域を直接シークエンス法により解析する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] OTOF mutation screening in Japanese severe to profound recessive hearing loss patients2013

    • Author(s)
      Iwasa Y, Nishio S, Yoshimura H, Kanda Y, Kumakawa K, Abe S, Naito Y, Nagai K, Usami S.
    • Journal Title

      BMC Med Genet

      Volume: 14 Pages: 1-5

    • DOI

      doi: 10.1186/1471-2350-14-95.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] OTOF mutation screening in Japanese severe to profound recessive hearing loss patients2013

    • Author(s)
      Iwasa Y, Suzuki H, Usami S
    • Organizer
      12th Taiwan-Japan Conference on Otolaryngology Head and Neck surgery
    • Place of Presentation
      Taiwan University Hospital
    • Year and Date
      20131205-20131207
  • [Presentation] OTOF遺伝子変異によるAuditory neuropathy症例の臨床像と人工内耳の効果に関する検討2013

    • Author(s)
      岩佐陽一郎、吉村豪兼、工 穣、宇佐美真一
    • Organizer
      第8回 日本小児耳鼻咽喉科学会総会
    • Place of Presentation
      前橋
    • Year and Date
      20130620-20130621

URL: 

Published: 2015-05-28  

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