2014 Fiscal Year Research-status Report
小児咽頭扁桃における抗原提示細胞の機能解析に基づくDDSを介した新たな治療戦略
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25861574
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小笠原 徳子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00438061)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | RSウイルス感染症 / 小児 / 上皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は様々な上皮細胞株を用いてRSウイルス感染系を確立し、反応性の確認として、新型インターフェロンであるインターフェロンラムダ、IL-8, IL-6, RANTESなどの種々のサイトカインの挙動を確認した。またある種の抗菌剤に含まれるRSウイルス感染に伴い誘導される炎症反応を抑制する成分を同定し、それらの生理活性作用、分子生物学的機序について検討中である。得られた結果の一部について耳鼻咽喉科感染症エアロゾル学会および鼻科学会にて口演発表を行った。引き続きサイトカイン産生やその制御機構について詳細な検討を行うとともに、抗菌剤の抗菌活性以外の抗炎症作用について、小児扁桃上皮などを用いて検討予定である。 また、 近年microRNAは、細胞内のみならず細胞外に分泌されると報告されているため培養ヒト鼻粘膜上皮細胞を用い、RSV感染と未処置細胞を比較したmicroRNA arrayを行った。arrayにおいて処置群と未処置群で2倍以上発現が増加したmicroRNAは76種類であった。9倍以上の発現増加を認めた3種類に関してウイルス処置を行った気道上皮細胞、鼻粘膜上皮細胞、それぞれの細胞上清を用いたreal-timePCR法を用いて検討を行う予定である。鼻汁解析の予備検討として処置、未処置の気道上皮細胞培養上清からtotal RNA抽出を行い、real-timePCR法による定量的発現解析が可能か検討する予定である。この結果によって鼻汁によるRSウイルス感染症の重症化やアレルギー発症予測が可能となる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
microRNA アレイの結果から得られた候補microRNAについてリアルタイムPCRの系を確立し、次のステップに移行できたため、おおむね順調に進展していると考えられる。この結果は2015年のアレルギー学会、ウイルス学会などで公表していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた結果について、再現実験を繰り返しながら確認を行い、国際学術誌に投稿準備を行うともに、国内外の該当学会で発表予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、あらかじめ27年度より繰り上げて予算を執行しているため、残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額と合わせて追加実験試薬代、学会発表、論文投稿料とあてる予定である。
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Research Products
(6 results)