2013 Fiscal Year Research-status Report
単純ヘルペスウイルス感染によるマウス顔面神経、聴神経障害とアポトーシスの関連
Project/Area Number |
25861579
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山野 耕嗣 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20597819)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Bell麻痺 / 突発性難聴 |
Research Abstract |
現在までに名古屋大学医学部のウイルス学講座との共同研究において、複数の感染経路 (系耳介、系角膜、鼓室内、脳内、静脈内) を検討することによりマウス生体内における単純ヘルペスウイルス (HSV) 感染後のアポトーシス抑制能を報告してきた (Arch Virol, 2010、Acta Otolayngol, 2011)。HSV を中耳腔に注入した際には、難聴、めまいの症状とともに内耳に多数のアポトーシス細胞が検出され、難聴と内耳のアポトーシス細胞の何らかの関連が示唆された (Acta Otolayngol, 2011)。突発性難聴の際に内耳でアポトーシスがおこり聴力障害に関与していると推定されており、アポトーシスを抑制することで聴力予後が改善することを根拠に、Auris Medical 社のアポトーシス抑制ペプチド(AM-111)を用いた臨床治験がEU を中心に行われている。今回我々のウイルス性難聴モデルを用いてアポトーシス抑制ペプチドを注入したが、明らかな臨床症状の変化は観察されなかった。HSV感染により前庭神経炎様の症状も観察されたが、アポトーシス抑制ペプチドによりとくに変化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルス性難聴モデルにアポトーシス抑制ペプチドを注入したが、明らかな臨床症状の変化は観察されなかった。HSV感染により前庭神経炎様の症状も観察されたが、アポトーシス抑制ペプチドによりとくに変化は認められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
HSVのアポトーシス誘導、抑制に関与する遺伝子は複数報告されているため、それぞれの遺伝子を欠損したウイルスにより難聴モデルマウスを作成し、臨床症状を観察する。難聴モデルに差が発見されたら、組織学的、電気生理学的に検討をする
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アポトーシス抑制ペプチドによる治療効果がみられなかったため、動物購入費用などに余剰が生じた。 実験動物を使用し、難聴モデルマウスの検討を引き続き行う。In vitroの実験系ではウイルスを増殖させるVero細胞などin vitroの実験のための培養液やプラスチック培養器が必要である。
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