2015 Fiscal Year Annual Research Report
単純ヘルペスウイルス感染によるマウス顔面神経、聴神経障害とアポトーシスの関連
Project/Area Number |
25861579
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山野 耕嗣 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20597819)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 単純ヘルペスウイルス1型 / 単純ヘルペスウイルス2型 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
名古屋大学大学院医学系研究科微生物免疫学分野ウイルス学講座と共同研究を行い、使用実績のあるHSV-1野生株 F、HSV-1 US3欠損株 R7041、HSV-1 ICP34.5欠損株 R3616、HSV-2野生株 186、HSV-2 US3欠損株 L1BR1を用意した。4週齢のICRマウスの外耳、中耳、内耳にまずF株、186株を接種して感染動態を観察した。外耳に接種した場合は顔面神経麻痺が、中耳に接種した場合は難聴、眩暈が観察された。内耳接種モデルは安定しなかった。そこで、内耳感染モデルに着目し、4週齢のICRマウスメスの右内耳にF株、186株、L1BR1株を接種した。野生株は安定して感染が成立したが、L1BR1株は感染が安定しなかったため、F株、186株に着目した。 野生株であるF株、L1BR1株の両株を内耳に接種して内耳感染を引き起こし、聴神経障害モデルマウスを作成した。1週間後に難聴、めまいを発症し、高率に脳炎をおこして死亡した。蝸牛内の粘膜を採取し、蛋白を抽出したところ、主にcaspase 8を中心としたミトコンドリア外を経由するapoptosis pathwayの活性化とcleaved caspase 3、cleaved PARPの増加が認められた。感染前、もしくは感染と同時に、中耳にアポトーシス抑制ペプチドを投与したが、ペプチド投与による生存率の改善や、神経症状の改善等は認められなかった。
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