2013 Fiscal Year Research-status Report
網羅的遺伝子解析による中耳細菌叢評価と、鼓膜換気チューブ挿入の治療効果の検討
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25861585
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
杉田 玄 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (20407274)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中耳貯留液 / 16SrRNA遺伝子 / 群集構造解析 / 鼻咽腔細菌叢 / 中耳細菌叢 |
Research Abstract |
平成25年度はAOM, OME中耳貯留液を用いた中耳細菌叢の把握も目的として以下の研究を行った。 AOM患者の中耳細菌叢の把握として、和歌山県立医科大学関連施設の耳鼻咽喉科にて、鼓膜換気チューブ留置を行った、6歳以下急性中耳炎患児(50名)より鼻汁(目標:50検体)、中耳貯留液(目標:50検体)を収集した。16SrRNA遺伝子の網羅的解析は、Genetic Analyzer 3130xlを使用し、公開されている基準種のみのデータベースと、相同性解析をBLASTで行った。解剖学的部位による、菌叢の局所偏在や共通性を解析した。菌叢全体のプロファイリングは主成分分析を用いて、菌種分布を2次元構成し中耳、鼻腔細菌叢の違いを明確化した。また、肺炎球菌など3大起炎菌が存在する場合としない場合で常在菌の構成が変化するかどうかを検討した。臨床的治療効果と菌叢変化の相関を調べるため、臨床スコア、鼓膜スコアの改善、あるいは不変・悪化の程度と、起炎菌占有率の低下の相関をスピアマンの順位相関係数で評価した。 次に、OME患者の中耳細菌叢の把握として、以下の研究を行った。和歌山県立医科大学関連施設の耳鼻咽喉科にて、鼓膜換気チューブ挿入術の際に、滲出性中耳炎(OME)患児の鼻汁、中耳貯留液を採取(目標:50例)した。 16SrRNA遺伝子の網羅的解析を同上の方法でおこなった。中耳細菌叢の存在を示し、構成する菌種の頻度分布、鼻咽腔細菌叢との共通菌種の有無を解析した。また、成人OME患者を鼓膜切開し採取した中耳貯留液(目標:50例)について、同上の解析を行い、小児貯留液検体と比較することで、中耳細菌叢の年齢による相違を評価した。検体の不足は、次年度で引き続き採取する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検体は半数以上集積しており、次年度引き続き集積していくことで、検体数は目標値に達する物と予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
成人OME患者を鼓膜切開し採取した中耳貯留液(目標:50例)について、同様の解析を行い、小児貯留液検体と比較することで、中耳細菌叢の年齢による相違を評価を引き続きおこなう。検体の不足は、次年度で引き続き採取する。関連病院の協力を得ながら症例数を増やしていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
16SrRNA遺伝子の網羅的解析をおこなっていく。中耳細菌叢の存在を示し、構成する菌種の頻度分布、鼻咽腔細菌叢との共通菌種の有無を解析してく。また、成人OME患者を鼓膜切開し採取した中耳貯留液(目標:50例)について、同上の解析を行い、小児貯留液検体と比較することで、中耳細菌叢の年齢による相違を評価した。検体の不足は、次年度で引き続き採取し、引き続き網羅的解析を続けいていくため。 解析に使用する薬剤を今年に引き続き購入し、16SrRNA遺伝子網羅的解析結果と成人OMEからの中耳貯留液と小児貯留液検体と比較を継続していく。
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Research Products
(2 results)