2014 Fiscal Year Annual Research Report
メニエール病における内リンパ嚢細胞内ストレス応答を焦点とした分子メカニズムの解明
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25861598
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
増田 毅 日本大学, 医学部, 助教 (60625218)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オートファジー / 内耳 / 小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
メニエール病は、様々なストレスが誘因となる内リンパ嚢機能不全が、内リンパ水腫を誘発することが病態であると考えられている。申請者らは、メニエール病をはじめとするめまい症状に精神的ストレスが深く関与することに着目し、臨床研究を行なってきた。 小胞体ストレスによる細胞死は、内耳感覚細胞障害の原因になると考えられている(Fujinami, J Pharmacol Sci. 2012)。しかし、小胞体ストレスが内リンパ嚢上皮細胞と前庭有毛細胞のIP3Rに及ぼす影響はメニエール病の病態を解明するために重要であるが、現在まで着目されてこなかった。そのため、申請者はHouse Research Instituteより内リンパ嚢上皮細胞培養細胞、前庭有毛培養細胞を独自に入手し、それらの細胞におけるIP3Rの機能解析を行い、小胞体ストレス下でのカルシウムイオン細胞応答機構を中心とする細胞死と細胞内Na-Kイオンバランスの影響について検討することを目的とし本研究を発案した。 内耳培養細胞HEI-OC1を小胞体ストレス誘導剤ツニカマイシンで処理した細胞生存率の結果から、小胞体ストレス誘導性細胞死モデルの条件を設定した。電子顕微鏡下で、オートファゴソームの中で損傷したミトコンドリアが分解されている像を確認した。Western blot法で、IP3RとCHOPは処理後12時間をピークに減少することを確認した。LC3-IIの発現は、処理後12時間から誘導されてきたことを確認した。Bcl-2とBeclin1の発現は、時間依存性に低下したことを確認した。BDNFとCAPS2の発現は、時間依存性に低下した。Atoh1とMyosin7aの発現も時間依存性に低下した。内耳感覚細胞における小胞体ストレス応答、BDNFシグナルを介したIP3R活性とオートファジーの間にクロストークが存在する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)