2013 Fiscal Year Research-status Report
補償光学適応走査型レーザー検眼鏡を用いた糖尿病網膜症における赤血球列の動態解析
Project/Area Number |
25861628
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇治 彰人 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60534302)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 補償光学 |
Research Abstract |
補償光学(adaptive optics: AO)を適用した走査型レーザー検眼鏡(AO-SLO)は、眼球光学系全体の収差を補正し眼底を細胞レベルで観察、また網膜毛細血管において非侵襲的に血流動態を観察することが可能である。これまでに我々は、AO-SLOを用いて傍中心窩網膜毛細血管内を流れる高輝度粒子がその光学的特性から白血球あるいは血漿であることを報告した。また白血球の上流側に赤血球列が形成され、それが伸長する生理現象が網膜毛細血管にも存在することを発見した。今日まで網膜血流に関する研究は微小循環に限定すば、移動体の速度に関する評価が主であったが、赤血球列の伸長率は新たなパラメーターとしてより詳細な血流評価に使用できる可能性がある。また、我々の正常眼を用いた検討では、赤血球列は傍中心窩においてすべての毛細血管の中を流れているわけではなく流れやすい血管(preferential pathway)、流れにくい血管の2種類が存在することがわかっている。病糖尿病における毛細血管の閉塞は、このような血管の役割・分布の変化をきたすと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
赤血球列という循環動態を評価する新たなAO-SLO所見を用いてどのような解析が可能であり、どのように数値化できるのか検討に時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
赤血球列を用いて次のパラメーターが創出できる。1)速度、2)伸長率、3)分布(全体の血管総延長に対するpreferential pathwayの割合)。これらを用いて糖尿病網膜症を有する患眼を対象に撮影、評価を行う。
|
Research Products
(11 results)