2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861639
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
上松 聖典 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (30380843)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 角膜上皮細胞シート移植 / 再生医療 / 経上皮電気抵抗値 / タイトジャンクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では培養角膜上皮細胞シートの品質を気抵抗値(TER)によるバリア機能で評価し、角膜上皮細胞シート移植が一定のTERを保つことができれば、移植後のシートの状態も良好であろうことが示唆された。この研究により、将来的にはより質の良いシートを移植に使用することができる可能性が高まったといえる。本研究ではまずは角膜上皮細胞シートをNIH 3T3細胞をフィーダー細胞として24ウェルインサート内で、5%ウシ胎児血清含有上皮細胞用培地を使用して培養した。TER培養11日目でZO-1とOccludinが細胞間に間隙なく形成されると最高値に達した。その後角膜上皮細胞シートが重層化し、ZO-1とOccludinのmRNAが減少するにつてTER値はやや減少し、培養14日目以降は定常状態となった。この定常状態でのTERの値はおよそ130Ωcm2 であった。さらに角膜輪部疲弊症モデルウサギを作製し、130Ωcm2程度のTERの値を持つ角膜上皮細胞シートを角膜に移植したところ、生着することが確認された。つまり、臨床で用いる角膜上皮細胞シートにおいても、TERを評価することで移植後の角膜上皮の状態を予見することできる可能が高くなったといえる。また、角膜のTERの測の技術を薬物毒性の評価につなげる研究も並行して行い、角膜障害性が指摘されている塩化ベンザルコニウムを含有している製剤であっても、ポリオキシエチレン硬化ひまし油などを添加することで、角膜上皮毒性が軽減されることが分かった。 本研究では、ある一定のTERを保つ培養角膜上皮シート作製の条件設定を行うことで、臨床における角膜上皮細胞移植の術後成績を改善させることができる可能性が高まったといえる。また、点眼薬の防腐剤の毒性緩和について新しい知見も得られ、これにより移植後等の角膜に対してより安全な点眼薬の条件を解明することができた。
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Research Products
(2 results)