2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861658
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
柴田 奈央子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20534647)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 翼状片 / DNAマイクロアレイ解析 / MMP9 / KRT24 / 初代ヒト角膜上皮細胞 / 初代ヒト結膜線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年までの研究で、われわれはヒト翼状片組織と結膜弛緩組織の遺伝子の大規模DNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、keratin(KRT)24の発現が翼状片頭部で有意に高く、Matrix metalloproteinase (MMP)9の発現が、翼状片頭部体部共に上昇しているという結果を得た。さらに、リアルタイムRTPCRおよびウェスタンブロット法にてもそれら結果を再確認した。 このため、今年度は初代ヒト培養角膜上皮細胞(HCEC)と初代ヒト培養結膜線維芽細胞(HCFC)を準備し、紫外線(UV)照射における上記遺伝子の発現変化について検討した。HCECとHCFCを312nmのUV-B波(0, 50, 100, 200mJ/cm2)にて連日照射し、Day4でMMP9とKRT24 mRNA発現をリアルタイムRT-PCR法で測定した。 HCECへのUV-B照射実験の結果、照射強度が上がるほどKRT24 mRNAの発現が亢進した。同様にMMP9 mRNAの発現に関しても照射強度が上がるほど発現が亢進した。次に、HCFC へのUV-B照射実験の結果、KRT24 mRNAの発現はみられなかったが、MMP9はUV-B強度を強くするほど発現亢進がみられた。 翼状片組織では、角膜創傷治癒過程でみられる炎症や細胞外基質リモデリング、過形成、細胞遊走がみられる。今回、創傷治癒や炎症、癌の進行でみられるMMP9や比較的高分化な腫瘍でみられるKRT24が、紫外線照射後にHCECまたはHCFCで発現亢進していた。つまり、UVの影響により角膜上皮や結膜上皮細胞において、MMP9とKRT24の発現が上昇し、翼状片の発症や進展にを誘導している可能性が示唆された。
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