2015 Fiscal Year Research-status Report
脂肪由来幹細胞の免疫制御作用を用いた、静脈性潰瘍の新しい治療方法の開発
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25861684
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高成 啓介 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378190)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 静脈性潰瘍 / 脂肪由来幹細胞 / 免疫制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は昨年作成したラットCVIモデルの安定化を行った。報告にあるCVIモデルを少し改変し、下大静脈、総腸骨静脈、大腿静脈、浅下腹壁静脈をそれぞれ結紮処理、その上BK(ブラジキニン)を足底に局注することにより、より重篤なCVIモデルの作成に成功している。また、作成した潰瘍部の状態を均一にするために創部の保護具を作成し、モデルの安定化を行った。これらの改善点により、静脈圧が28日程度持続して上昇していることが確認された。また、CVI作成後より下肢の体積の増加、痛覚の過敏または鈍磨、創傷治癒遅延が14日程度継続した。これは静脈不全患者において見られる静脈圧の上昇、浮腫、疼痛または知覚鈍麻、創傷治癒遅延、などの症状と同様のものと考えられた。またCVI状態にあるモデルラットより採血を行い、炎症などの生体反応についての検討を行っている。 ラット皮下および大網より脂肪組織を採取し、脂肪由来幹細胞の抽出を行っている。脂肪幹細胞であることを確認する表面抗原としては一般に多く用いられているCD44+/CD90+/CD31-/CD45-とし、フローサイトメトリーにて確認を行った。現在は脂肪由来幹細胞の培養を行い、炎症刺激に対しての反応、および各種炎症関連細胞(T細胞、B細胞、マクロファージ)などとの相互関連、それに伴うサイトカインの量や種類の変化についてデータを採取している。今後はCVIモデルに対する脂肪由来幹細胞の局所投与と、それによる効果(創傷治癒遅延や炎症の改善など)についても順次検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、皮下脂肪および大網より採取した脂肪由来幹細胞の特性研究を行っている。細胞表面マーカーの変化や放出されるサイトカインの量や種類の変化など、種々のデータを集めるのに時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪由来幹細胞の特性研究を進め、炎症刺激に対する反応につき検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
脂肪由来幹細胞とマクロファージ、T細胞の共培養実験を行っており、炎症刺激下に幹細胞と炎症細胞がどのような相互反応を示すかにつきより詳しく研究を進める必要があり、データ収集が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
炎症への反応を見るために細胞培養、サイトカイン測定、RT-PCR、Flowcytometryなどを随時行っていく。これらに関する消耗品および試薬費用、施設利用費、各種抗体購入費、成果発表費用が必要となる。
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Research Products
(1 results)