2014 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ浮腫に対する埋込型ポンプを用いたリンパ管―腹腔シャントの有効性に関する研究
Project/Area Number |
25861689
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
杉山 成史 岡山大学, 大学病院, 医員 (80379776)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リンパ浮腫治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
鼠径部でのリンパ管・リンパ節郭清に大腿静脈結紮を加えた、静脈潅流障害付加リンパ浮腫モデルの作成を試みた。しかし、浮腫は1週間程度しか持続せず、従来のモデルと同様に周径における有意な差は認めなかった。研究期間が限られているため慢性リンパ浮腫モデルの作成は断念し、従来の切断肢リンパ浮腫モデルを用いて研究を進めた。 ラットの両側の後肢を、大腿基部において動静脈および骨以外の全ての組織を一旦切断し、リンパ浮腫モデルを作成した。その際に、片側の大腿動脈に併走するリンパ管にはシリコンチューブを挿入した。挿入したシリコンチューブから埋込型ポンプを介して腹腔内にリンパ液を誘導し、リンパ管腹腔シャントを作成した。対側はリンパ管を切断したままにして、コントロールとした。術前および術後に経時的に足関節部で周径を測定した。しかし、リンパ管腹腔シャント側においてもコントロール側においても、術後に明らかな周径増大は認めなかった。コントロール側と比較すると、リンパ管腹腔シャント側の方が周径は細い傾向が見られたが、有意ではなかった。 術後1週間で埋込型ポンプの動作を確認したところ、ポンプの電池が消耗して動作が停止しており、リンパ管腹腔シャントが機能しなくなっていた。 2週間後に組織を採取し、H-E染色とリンパ管内皮細胞の膜タンパクであるpodoplaninに対する免疫染色を行い、組織学的に観察したが、リンパ管腹腔シャント側とコントロール側で明らかな差は認めなかった。切片においてリンパ管の数をカウントしたが、有意差はみられなかった。
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