2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the tensile strength response in epidermal cell
Project/Area Number |
25861704
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 達也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60641321)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 抗張力反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス持続的抗張力負荷モデルにおけるケロイド様組織においてTissue inhibitor of metalloprotease-2(TIMP2)の低下を確認していた。本たんぱく質はコラーゲンの生成・蓄積・分解に関与する酵素であるmatric metalloproteinase(MMP)を阻害する作用がある。ケロイド様組織から線維芽細胞を回収・培養し、抗張力を負荷させたin vitroにおける検討を行った。このときにリコンビナントTIMP2(rhTIMP2)の投与・非投与群の2群の比較を行った。その結果、rhTIMP2投与を行った線維芽細胞軍においてはコラーゲンの生成、蓄積が抑制されていることが確認できた。また一方でこれまでにsmooth muscle actin(SMA)が抗張力負荷により表皮細胞において発現していることを見出している。SMAは通常線維芽細胞の活性化の指標であり、通常創収縮に関与するとされている。すなわち表皮細胞において発現していたSMAは抗張力に拮抗して収縮しようとするために分泌されていることが予測できた。そこでSMA発現を抑制するとされる塩基性線維芽細胞増殖因子を投与したところ、SMA発現は抑制される一方で、TIMP2の発現の低下は認められなった。すなわち抗張力を受けた細胞はその力に拮抗するために、SMAを発現させ、さらに組織として強固なものとするために線維芽細胞がコラーゲンを生成する可能性が示唆された。TIMP2ノックアウトマウスを用いて背部の創傷を作成し進展刺激を加えた。そしてrhTIMP2の投与を行ったところ、ケロイド様組織の発生をおさえることができ、そしてSMAの発現も抑えられていた。臨床においてケロイドの予防としてTIMP2製剤が使用できる可能性が示唆された。
|