2013 Fiscal Year Research-status Report
Twist1欠失ヘテロ個体マウスを用いた、頭蓋早期癒合の頭蓋成長モデルの作成
Project/Area Number |
25861710
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
塗 隆志 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40445995)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マウスモデル / 冠状縫合早期癒合症 / saethre-chotzen / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、Twist1欠失ヘテロ個体マウスの頭蓋骨を用いて冠状縫合早期癒合症における頭蓋・顔面の成長を3次元的に分析し、そのデータをヒトの頭蓋骨に置き換えて頭蓋骨早期癒合症の成長シミュレーションを行うことである。その過程として以下の3つの研究課程を設定した。①サンプリングとmicroCT撮影、②三次元データを用いた頭蓋骨の成長解析、③ヒトの頭蓋骨に置き換えたシミュレーション。 平成25年度終了時点で、①と②については終了している。①はTwist1欠失ヘテロ個体マウスの周齢2、4、6、8週をそれぞれ5、9、8、6匹サンプリングを行った。wild typeマウスについても、8、10、5、6匹のサンプリングを行いmicro CTによる三次元データを得た。②については申請書の参考文献1を参考に頭蓋骨に27個のlamdmarkを設定し、各々の距離を三次元レンダリングソフトを用いて測定した。この結果Twist1欠失ヘテロ個体マウスの頭蓋骨では頭蓋のみでなく顔面長の低成長が確認された一方、頭蓋幅は拡張していることが分かった。このことは冠状縫合の早期癒合が顔面の形態にも影響を及ぼす可能性があることを示唆するものであり、現在前出の③である人の頭蓋骨に置き換えた検討を行っている。 これまでの結果は第23回日本形成外科学会基礎学術集会にて発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は①サンプリングとmicroCT撮影、②三次元データを用いた頭蓋骨の成長解析、③ヒトの頭蓋骨に置き換えたシミュレーションまでを行い、平成26年はデータのまとめと、論文や学会発表名等を行う計画であったが、現在①と②は終了しているが、③ヒトの頭蓋骨に置き換えたシミュレーションは現在進行中である。本研究では冠状縫合早期癒合症の手術に使用できるシミュレーションモデルを作成することを最終目標としているため、より分かりやすい方法を検討しているため、研究の進捗状況に遅れが出ている。しかし、必要なデータの採取は終了しており、研究期間内には成果について学会や論文で報告が可能となる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今回マウスから得られたデータをもとに、ひとの頭蓋骨に置き換えた検討およびシミュレーションを行う。また、得られた結果については学会および論文にて報告を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究計画に沿って、マウスのモデル作成を行っている。平成25年度の予算にモデル作成に必要な手術器具を計上していただが、研究を進めていくうえで、必要な器具の追加購入が必要となったため、平成26年度の予算を前倒ししたが、研究の遅延に伴い器具の購入が年度内に完了しなかったため、残高が生じた。 次年度使用額は翌年より前倒し請求を行った結果生じたが、この次年度使用額は追加機器の購入に充てる。前倒しを行ったことで、26年度分は減額されているが、平成26年度は学会発表などにかかる旅費を主に計上しており、減額された部分は形成外科講座の研究費により賄う予定であり、平成26年度の研究目的の達成は可能である。
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