2015 Fiscal Year Annual Research Report
Twist1欠失ヘテロ個体マウスを用いた、頭蓋早期癒合の頭蓋成長モデルの作成
Project/Area Number |
25861710
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
塗 隆志 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40445995)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Craniosynostosis / Saethre Chotzen syndrome / mouse model |
Outline of Annual Research Achievements |
本年はこれまでに得られた結果をまとめ16th Biennial Congress of the International Society of Craniofacial Surgery (ISCFS)において報告した。今回の研究ではTwist1 heterozygousのマウスでは4から6週齢にかけて冠状縫合の早期癒合を認めた。Twist遺伝子は本来冠状縫合の癒合に関与するとされているが、今回の検討では冠状縫合の早期癒合がTwist1 heterozygousマウスの全例に認められた一方で頭蓋の変形は個体によってさまざまであり、早期癒合の発症パターンや進行具合により形態に及ぼす影響が大きく変化することが明らかとなった。これまで同様のマウスを用いた冠状縫合早期癒合の研究はいくつか報告されているが、報告ごとに早期癒合がみとめられる時期は異ることから、これは使用しているマウスの系によるものと考えられた。このような理由から冠状縫合早期癒合がマウスの頭蓋に与える影響を観察する上ではこれまで報告されている、成長のある一時期のみの観察ではなく、癒合前から癒合後および成獣までの経時的な頭蓋形態の観察は重要であると考えられた。三次元の解析では冠状縫合の早期癒合により前額部の幅が拡大していることが認められた。これはTwist遺伝子異常のヒトの患児にも共通する所見であり、また眼窩の大きさに変化を認めないこともヒトでの所見と同様であった。これらの結果より今回の結果はヒトにおいても冠状縫合早期癒合が頭蓋および顔面へ与える影響について調べるうえで有用であると考えられた。現在上記の内容について論文作成中である。
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