2015 Fiscal Year Annual Research Report
遊離皮弁移植におけるFlow-through吻合の有用性
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25861713
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
宮本 慎平 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (00407040)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロサージャリー / 遊離皮弁 / flow-through吻合 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの鼠径皮弁モデルを用いて、静脈のflow-through吻合と端々吻合で開存率の比較を行った。 SDラット(オス)300-400gを各群10匹ずつ用い、左鼠径皮弁(3×3㎝)を挙上した。端々吻合群では、大腿静脈を切断→吻合し、膝窩静脈は結紮・切離した。flow-through吻合群では、大腿静脈と膝窩静脈の2か所で吻合を行った。術後1週間で吻合部の評価を行ったが、いずれの群も開存率100%であり、有意差は認めなかった。flow-through吻合群の末梢側吻合部(膝窩静脈レベル)も全例で開存していた。また、flow-through群ではティッシュオキシメータを用い、膝窩静脈を開通させた状態(flow-throughの状態)とクランプした状態(端々の状態)で、皮弁内酸素飽和度を測定・比較したが、有意な変化は認めなかった。 本研究の結果より、静脈のflow-through吻合は高い開存率を示すが、端々吻合に対する優位性は示すにはいたらなった。また、皮弁内酸素飽和度への影響に関しても有意な変化は認めなった。一方、静脈のflow-through吻合については、今まで動物モデルではほとんど検討されておらず、本モデルは今後の研究に寄与する可能性が示唆された。今後は本モデルを遊離皮弁モデルへと発展させ、端々吻合との生着率の比較する、あるいは、皮弁下垂・鬱血誘発モデルで比較を行う、などの研究を検討している。
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