2014 Fiscal Year Annual Research Report
インフラマソームを標的とした新規敗血症治療法の開発
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25861721
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田島 吾郎 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00437427)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インフラマソーム / 敗血症 / 自然免疫 / SIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫系の新規炎症起動システムであるインフラマソーム(inflammasome)を標的とした敗血症治療法の開発を目的に、平成26年度はマウス腹膜炎モデル(Cecal Ligation and Puncture:CLP)を用いて免疫担当細胞の活性化、TLRsの発現とインフラマソームの活性化を測定した。次にCaspase-1遮断薬(AC-YVAD-FMK)を用いてインフラマソーム遮断効果を評価した。 CLP群においてマクロファージ、好中球などの自然免疫系細胞はCD80、CD86などの炎症マーカーの上昇を認め、獲得免疫系のCD4陽性T細胞でもCD62Lなどの炎症マーカーの上昇を認めた。インフラマソームの活性化についてはFLICA(Fluorescent-Labeled Inhibitor of Caspases)によるCaspaseの活性化を認め、NALP3の細胞内染色で、NALP3インフラマソームの活性化を確認した。また、自然免疫系細胞ではTLR2,4の発現は上昇を認めたが、TLR9は低下を認めた。 次にインフラマソーム遮断効果の評価のため、マウスにCaspase-1遮断薬を前投与してCLPを施行した。Caspase-1遮断薬により、マクロファージ、好中球においてはCD80、CD86の低下を認め、CD4陽性T細胞でもCD62Lなどの低下を認めた。FLICAによるCaspaseの活性化は軽度低下し、NALP3インフラマソームの活性化の低下を確認した。また、自然免疫系細胞ではTLR2,4の発現は更なる上昇を認めたが、TLR9は低下を認めた。 また、敗血症患者の全身性炎症反応の基礎的なデータ、病態を解析してまとめ報告したが、臨床検体を用いた研究においては、検体の収集、測定系の確立が十分でなく、今後も引き続き患者白血球におけるインフラマソームの活性化を測定して行く予定である。
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[Journal Article] Portable system for monitoring of regional cerebral oxygen saturation during prehospital cardiopulmonary resuscitation: a pilot study.2015
Author(s)
Tajima G, Shiozaki T, Izumino H, Yamano S, Hirao T, Inokuma T, Yamashita k, Nagatani A, O nishi M, Hirose T, Shimazu T, Hamasaki T and Tasaki O
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Journal Title
Acute Medicine & Surgery
Volume: 2
Pages: 48-52
DOI
Peer Reviewed
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