2014 Fiscal Year Annual Research Report
HIF1αが関与する心停止後症候群の病態解明と治療法の確立
Project/Area Number |
25861736
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
和田 剛志 北海道大学, 大学病院, 助教 (30455646)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 心停止後症候群 / 臓器不全 / 播種性血管内凝固症候群 / DIC |
Outline of Annual Research Achievements |
心停止蘇生後モデル作成のための機材準備に時間を要した。細動発生機からの刺激をラットに誘導するためのカテーテルとの接続、また心停止が起こっていることを確認するためのモニターとの接続など細かな点での調整が必要であり、専門業者に依頼しすべて問題は解決した。研究期間内に結果を出し論文発表まで到達することはできなかったが、実験は継続中であり、結果が出次第、学会発表、論文投稿の予定である。
臨床研究として、心停止後症候群患者の凝固線溶系についての検討を行った。特にTAFI(thrombin activatable fibrinolysis inhibitor)やelastaseが関与する線溶と凝固(thrombinの活性化を反映するsoluble fibrinを測定することで凝固の亢進を評価)のバランスを評価した。臓器不全発症や予後不良となる症例ではPAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)が高値であること、またプラスミンによる線溶が不十分である場合にelaastaseが関与する線溶(EXDPが反映)が働くことで臓器不全が回避される可能性を示した。この結果は英文誌(Thromb Res 2013; 132: e64-69)に発表した.
またもう一つの臨床研究として心停止後症候群の一酸化窒素とその合成酵素の測定結果の解析を行った。播種性血管内凝固症候群を発症し臓器不全をきたす群では一酸化窒素の過剰産生が見られ予後不良となることが示されたが、その一酸化窒素の過剰産生は一酸化窒素合成酵素ではなく、血管新生関連因子や凝固因子などにより誘導されている可能性がある、という興味深い結果を得た。この結果はヨーロッパ集中治療医学会で発表した。
|
Research Products
(7 results)