2014 Fiscal Year Annual Research Report
Thymosin beta 4遺伝子導入による歯原性上皮細胞の作製
Project/Area Number |
25861747
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 弘明 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50634200)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯の再生 / シグナル伝達経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
Thymosin beta 4, X-linked(TMSB4X)過剰発現HaCaT細胞の解析により、TMSB4XがRunx2を介して歯原性因子の発現調節を行っていることが強く疑われた。このシグナル伝達経路を解明すべく、今回はマウスTMSB4X過剰発現細胞および歯原性上皮細胞株(mDE6細胞)を用いて検索を行った。その結果、TMSB4X過剰発現HaCaT細胞およびmDE6細胞においてTMSB4Xの発現によりp-Smad1/5やp-Aktの蛋白発現が上昇することが認められた。またmDE6細胞においてTMSB4XをsiRNA法により機能阻害を行うと、前述の因子の発現量は減少した。さらにmDE6細胞をTMSB4X機能阻害下で石灰化誘導培養を行ったところ、わずかではあったが、コントロールと比較して有意な石灰化の減少が認められた。これらの結果より、TMSB4XはSmad、PI3K-Akt経路を介してRunx2発現調節、さらには歯原性因子の発現や石灰化形成を調節していることが示唆された。TMSB4X過剰発現HaCaT細胞でも同様の傾向は示唆された。しかし、HaCaT細胞では、Tet-oneシステムを用いたTMSB4X調節発現系細胞樹立の方法で行う予定であったが、実験期間内での終了が難航したため、mDE6細胞を用いての解析のみ発表することとなった。なお、本結果は「Thymosin beta 4 is associated with RUNX2 expression via the Smad and Akt signaling pathways in mouse dental epithelial cells.(Int. J. Mol. Med. 35: 1169-1178)」にて発表された。
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