2014 Fiscal Year Annual Research Report
OPGの新規破骨細胞形成抑制機構ー破骨細胞形成促進因子CCN2との相互作用ー
Project/Area Number |
25861755
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
青山 絵理子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10432650)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | CCN2 / OPG / RANK / RANKL / osteoclast |
Outline of Annual Research Achievements |
多機能性の分泌因子であるCCN2は間葉系の組織や細胞において増殖や分化などを促進しているが、その作用機序としてはCCN2が他の生理活性因子と結合し、その作用を制御することによると考えられている。そこでCCN2の新たな機能を明らかにするためにCCN2結合の探索を行った結果、破骨細胞分化に必須のシグナルを伝達する膜タンパク質であるRANKとCCN2が結合し、RANKを介した破骨細胞分化をCCN2が促進している可能性を見いだしてきた。 そこで今回はRANKのデコイレセプターとして機能することで知られるOPGとCCNとの結合について検討した結果、両者はCCN2とRANK以上に強力な結合を示すことが分かってきた。この結合の解離定数を表面プラズモン共鳴法によって解析したところ、Kd値が24.5 nMであることが分かった。これはOPGとCCN2の結合がOPGとその結合因子としてすでに知られているRANKLとの結合に匹敵するほどのアフィニティを有していることを示している。 また、OPGはCCN2とRANKとの結合を強力に阻害したことからOPGはRANK-RANKL間の結合を阻害するだけでなく、RANK-CCN2結合においても阻害因子として機能する可能性が示された。 また、逆にOPGとRANKLの結合におけるCCN2の作用を明らかにするため以下の検討を行った。マウスの骨髄由来の破骨細胞前駆細胞をRANKLで刺激するとTRAP発現陽性の成熟破骨細胞が出現するが、これはOPGによって抑制される。しかし。ここにさらにCCN2を添加するとOPGによるRANKL誘導性破骨細胞形成抑制作用がCCN2によって濃度依存的に阻害されることが分かった。 これらのことからCCN2はOPGとは相互に抑制しあう関係であり、RANKのみならずOPGとの結合を介しても破骨細胞形成に促進的に働いていることが証明された。
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