2013 Fiscal Year Research-status Report
PRIPを介したオートファジーによる感染細菌排除機構の解明
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25861757
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原田 佳枝 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (60432663)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オートファジー / 微生物 |
Research Abstract |
我々は、以前PRIP(PLC-related catalytically inactive protein)がオートファジー調節分子LC3に結合する事を明らかにし、PRIPが新たなオートファジー調節分子であると報告した。本研究では、オートファジーを介する感染防御機構にPRIPが関与するか検討した。 PRIP ノックアウト(PRIP-KO)マウスから調整したMEFにStaphylococcus aureusを感染させ、細菌を包含するGFP-LC3陽性autophagosome-like vacuoleを観察した。PRIP-KO細胞では野生型に比べ巨大化したvacuole形成みられ、細胞内でS. aureusが増殖することが分かった。また、タイムラプス観察では、野生型細胞で出現したGFP-LC3陽性autophagosome-like vacuoleがlysosomeと融合して消失する過程が観察できたのに対し、PRIP-KO細胞ではlysosomeとの融合が障害されたvacuoleが観察され、S. aureusがvacuoleから漏出する像も観察できた。また、酸性オルガネラ染色実験においては、PRIP-KO細胞では、リソソームと融合したautophagosome-like vacuoleの数が減少していることが明らかとなった。 以上の結果により、PRIP は、LC3などのオートファジー関連分子を制御することで、オートファゴソームの成熟段階を促進的に調節し、S. aureusなどの細菌感染に対する感染防御機構に関与する分子であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究成果を原著論文としてまとめ、PLOS ONE(2014.5.1.)に受理された。
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Strategy for Future Research Activity |
PRIPが、オーファゴソーム成熟を調節する因子であることはわかったが、オートファゴソーム/リソソーム融合時に必要とされるRab7との関係について検討を深めオートリソソーム形成の分子基盤を明らかにしていく。 また、予備的な実験であるが、アミノ酸飢餓刺激によるcanonicalなオートファジーにおいても、PRIPがオートファゴソームの成熟過程を調節することを示唆する結果を得ている。 今後はPRIPが関与する細胞内の細菌増殖調節メカニズムと、オートファゴソーム成熟過程の分子メカニズムを解明すべく研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後分子生物学的な解析だけでなく、動物実験を行うための費用とするため。 今年度は、PRIPが関与するオートファジー調節の分子メカニズム解析だけでなく、細菌を用いた動物実験を行い、in vivoにおいてもPRIPによる細胞内での細菌増殖抑制機能に、影響を及ぼすか検討をおこなう。
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Research Products
(4 results)