2014 Fiscal Year Annual Research Report
PRIPを介したオートファジーによる感染細菌排除機構の解明
Project/Area Number |
25861757
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原田 佳枝 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (60432663)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オートファジー / 細菌感染 / 微生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
PRIP(PLC-related catalytically inactive protein)は、新規のイノシトール1,4,5-三リン酸[Ins(1,4,5)P3] 結合性タンパク質である。この分子は、ホスホリパーゼC(PLC)-δ1と類似の一次構造を持つがPLC酵素活性はない。PRIPはInsP3/Ca2+シグナル、GABAシグナリング、脂質代謝等を調節する。 我々は、PRIPの相互作用分子GABARAPがLC3のホモログであることに着目してオートファジー過程を解析した。その結果、PRIPはLC3に結合しPRIP遺伝子欠失(Prip-KO)マウスの胎児線維芽細胞では野生型細胞よりもオートファゴソーム数が増加することを見出した。また、Prip-KO細胞に黄色ブドウ球菌を感染させると、細菌を含むGFP-LC3陽性のautophagosome-like vacuoles(SAcVs)は野生型に比べて巨大化した。すなわち、PRIP遺伝子が欠失すると細菌の排除が抑制され、細胞内で増殖することが分かった。細胞にRFP-GFP tandem fluorescent-tagged を発現させて経時的な観察を行なうと、野生型細胞では、LC3陽性SAcVsのGFP蛍光が60分程度で消光し、オートファゴソームがリソソームと融合することが分かった。しかし、Prip-KO細胞では、GFP蛍光の消光が遅延し、SAcVsとリソソームとの融合が著しく障害されることが分かった。また、LysoTrackerを用いて酸性オルガネラを可視化すると、Prip-KO 細胞では、SAcVsの酸性化が抑制されていることが明らかとなった。 以上の結果より、PRIPはオートファゴソームのリソソーム融合過程に関与し、オートファジーを介した細菌感染防御機構を調節していることが明らかとなった。
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[Journal Article] Phospholipase C-related catalytically inactive protein (PRIP) regulates lipolysis in adipose tissue by modulating the phosphorylation of hormone-sensitive lipase.2014
Author(s)
Okumura T, Harada K, Oue K, Zhang J, Asano S, Hayashiuchi M. Mizokami A, Tanaka H, Irifune M, Kamata N, Hirata M, Kanematsu T.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9(6)
Pages: e100559
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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