2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861758
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高 靖 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40585882)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | SNARE / 開口分泌 / リン酸化 |
Research Abstract |
本研究では、細胞の最も普遍的機能の1つである開口分泌におけるリン酸化制御と PRIP の役割の解明を目指している。 平成25年度は当初の計画に従い、本研究に必要な PRIP、PP1、PP2、SNARE 等の野生体及び種々のドメイン、あるいはそれに点変異を導入して PP1、PP2やSNARE との結合能を欠失する変異体や、リン酸化されない変異組み換え体の調製・精製、さらにはそれらに蛍光あるいはタグを繋いだ大腸菌や培養細胞への発現コンストラクトなどを調製した。 開口分泌実験のモデルとしての PC12 細胞の各種 PRIP 変異体を安定的に発現する細胞株あるいはSNARE分子を安定的にノックダウンする細胞株のスクリーニングも行った。開口分泌における膜融合過程に必須の分子複合体を構成する SNAP-25 に着目し、そのリン酸化を介したSNARE複合体形成や開口分泌への影響を調べた。精製タンパク質を用いた試験管内実験から、SNAP-25がPKA でリン酸化されるとSNARE 複合体形成し難くなったことが分かった。さらに免疫沈降実験も行い、細胞をホルスコリン処理すると SNAP-25 はリン酸化され、細胞内のSNARE 複合体の形成が減少したことも分かった。精製タンパク質を用いてPRIPとSNARE 分子及びSNARE関連分子との試験管内結合実験も行い、PRIPがC2-domain に介してt-SNARE分子やSNARE関連分子synaptotagmin と結合することが分かった。 以上の結果は、SNAP-25のリン酸化状態がSNARE複合体形成に影響し、タンパク質リン酸化シグナルによる開口分泌の調節に関与することを示唆する。初年度のこれらの成果は本研究における仮定を肯定するものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に書いてあるように実験を行っているし、初年度の成果は本研究における仮定を肯定するものであり、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度にSNARE分子SNAP-25のリン酸化によってSNARE複合体形成の調節が分かったので、今後はそれの開口分泌への影響も調べなければならない。すなわち開口分泌実験のモデルとしての PC12 細胞の各種変異体を安定的に発現する細胞株あるいはSNARE分子を安定的にノックダウンする細胞株を樹立し、その細胞株を用いてインタクトの状態で開口分泌実験を行う。次いでSNAP-25以外のSNARE分子のリン酸化をよってどのように開口分泌を調節するのか、PRIPがどのように関わっているのがも調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
必要な試薬や抗体を購入する際、ちょうど価額の割引期間だったので定価より安い価額で購入でき、予算を下回った。 開口分泌やリン酸化を調べる方法は同じなので消耗品のほとんどを占める試薬類は初年度と同程度必要となる。また得られた成果を学会及び論文として発表するための旅費及び出版費(その他)を使用する。
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Research Products
(6 results)