2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25861759
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實松 敬介 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70567502)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 味覚 / 甘味受容体 / 味覚修飾物質 / ギムネマ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
甘味受容体T1R2/T1R3は、口腔だけでなく、全身の様々な臓器に発現し、エネルギー受容センサーとして生体恒常性の維持に関与することが示唆されている。生体恒常性の破綻は、生活習慣病に繋がる可能性がある。よって甘味受容機構の解明は、生活習慣病や肥満の予防、治療に役立つ味覚修飾物質の発見や、創薬に寄与する。その基礎として、甘味受容体T1R2/T1R3と基質との結合特性を解明することが必要不可欠である。そこで本研究では、甘味受容体T1R2/T1R3と味覚修飾物質との相互作用を甘味受容体再構築系を用いて調べた。 ギムネマ酸は、植物ギムネマ・シルベスタ由来のトリテルペン配糖体で、ヒトの甘味を選択的に抑制することが知られている。ギムネマ酸の効果に種差(マウスには無効)があることを利用し、ヒト・マウス・キメラ体のギムネマ酸の効果を検索したところ、ギムネマ酸の感受性にはヒト T1R3 の膜貫通領域が不可欠であることが示唆された。また、T1Rsが属するクラスC Gタンパク質共役型受容体であるmGluR1の膜貫通領域構造を基にした分子モデリングによりヒト T1R3 の膜貫通領域にギムネマ酸が結合することが推定された。さらに、ヒト T1R3 膜貫通領域のアミノ酸の点変異の解析により、第3、第5、第6ヘリックスで囲まれたドメインにギムネマ酸が結合している可能性が強く示唆された。構造活性相関により、グルクロン酸が甘味受容体を抑制したことからギムネマ酸の持つグルクロノシル基が甘味抑制に重要な役割を担っていることが明らかになった。
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