2014 Fiscal Year Research-status Report
進行性下顎頭吸収の発症メカニズムの分子生物学的解析
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25861774
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野上 晋之介 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70573575)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 進行性下顎頭吸収 / サイトカイン / 仮骨延長 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は動物(ウサギ)を用いて顎矯正治療モデルを再現し、分子生物学的に解析することで進行性下顎頭吸収のメカニズムを解明することである。平成25年度に下顎頭吸収モデルを確立した。μ-CTで骨吸収部の微細構造評価を行い、さらには組織学的評価を行った。HE染色で下顎頭軟骨層の厚みの減少、軟骨細胞層の乱れが認められ、μ-CTにおいて吸収が認められた下顎頭前方部ではTRAP陽性を示す破骨細胞が多数存在していた。平成26年度は軟骨層の評価をアルシアン・ブルーを用いた特殊染色、Ⅰ型・Ⅱ型コラーゲンを用いた免疫染色にて評価した。下顎頭の圧縮群と比較して伸展群では特に下顎骨延長終了2週目、4週目において、アルシアン・ブルー染色では軟骨層の破壊が顕著に確認できた。また延長終了後2週目、4週目の伸展群では、軟骨組織の減少に伴って軟骨細胞外基質のⅡ型コラーゲンが有意に減少した。さらに一部の肥大・空胞化した軟骨細胞にはⅡ型コラーゲンが認められなかった。現在、各実験群の顎関節滑液を採取し各種炎症性サイトカインの検出を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度で下顎頭吸収モデルを確立させ、その確認を免疫染色を用いた組織学的評価を完了できた。現在はそのメカニズムを分子生物学的(顎関節滑液解析)に評価しているところでありおおむね良好と考える
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Strategy for Future Research Activity |
現在各群1羽ずつ下顎骨延長を行い、顎関節の滑液を採取し滑液解析を行っている。滑液解析はELISA法、CBA法を用いてIL-1β、IL-6、TNF-αのタンパク量を測定している。各群2羽ずつ増やし統計学的解析を併せて行う予定とする。なお、滑液は解析に対して十分量採取できているため、ELISA法を先行して行っている。
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Causes of Carryover |
当初の予定より実験動物の飼育費が少なかったため、26404円の残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度の残額を平成27年度の物品費に使用する予定である。
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