2014 Fiscal Year Annual Research Report
インフラマソームが繋ぐ宿主・寄生体相互関係における炎症シグナル機構の解析
Project/Area Number |
25861775
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
沖永 敏則 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (60582773)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インフラマソーム / マクロファージ / 歯周病細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症においてインフラマソームと呼ばれる細胞質内タンパク複合体がさまざまな生命現象に於いて重要な役割を果たしていることが報告されている。今回の研究では、歯周病細菌侵入モデルを使用し、マクロファージにおけるインフラマソームの役割について検証している。その過程で、細菌を認識する細胞質内受容体の情報伝達系および細胞死について分子レベルで解析を進めた。 マウスマクロファージ細胞株RAW264.7、ヒトマクロファージU937, THP-1細胞と歯周病細菌Aggregatibacter actinomycetemcomitans Y4株を使用し、我々が確立した感染実験を行った。siRNAをエレクトロポレーション法で導入し、ノックダウン細胞を作成した。タンパク発現についてはウェスタンブロッティング、遺伝子発現はリアルタイムRT-PCRで、サイトカイン産生についてはELISA法で解析した。フローサイトメーターを用いて、活性酸素ならびにファゴサイトーシス活性を測定した。 侵入実験後のRAW264.7細胞が、ファゴサイトーシスにより歯周病細菌を取り込んでいることを確認した。インフラマソーム関連因子であるNLRP3受容体の発現とIL-1βの発現、ならびにアダプタータンパク質のASCやcaspase-1の発現を確認した。NLRP3ノックアウト細胞において、IL-1βの発現抑制を確認した。また、歯周病細菌感染によるカテプシンBや活性酸素の発現が認められ、これらの発現阻害剤を使用したところ、IL-1β発現が抑制されることが明らかとなった。以上の結果から、歯周病細菌感染マクロファージにおいて、NALP3の発現を伴うインフラマソーム活性化が誘導され、その誘導には、カテプシンBや活性酸素が関与していることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)