2013 Fiscal Year Research-status Report
IVIM MRイメージングで迫る舌癌リンパ節転移予測
Project/Area Number |
25861778
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
坂本 潤一郎 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40506896)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 画像診断 / 癌 / 臨床 / 拡散現象 / 灌流現象 |
Research Abstract |
当該年度では東京医科歯科大学歯学部附属病院に新たに導入された3T MRIにてIVIM MRイメージング撮像法の一つであるHASTE拡散強調画像の最適化を行う予定であったが、同撮像法が使用できなくなったため、拡散強調画像撮像法のゴールドスタンダードとされるEPI法へ撮像法を変更した。EPI法の欠点とされる頭頸部領域での画像の歪みについて、歪みが最小限となるよう最適化を行った。 煩雑であるIVIM MRイメージングの解析について、簡便化を図るため数値計算ソフトMATLABを使用してプログラミングを行い、IVIM解析用プログラムを作成した。このプログラムを使用することにより撮像された拡散強調画像からIVIM MRイメージングの解析結果となるADC-map、D-map、f-map、D*-mapを自動的に作成できるようになった。今後、その精度について検証が必要であるが、このプログラムにより効率的に解析が行えるようになると考えられる。 IVIM MRイメージングによる頭頸部腫瘤性病変の良悪性鑑別に対する有用性について、前所属施設における症例での検討を行った。MRI装置は1.5T MRI装置とし、対象は最終診断が得られた頭頸部腫瘤性病変を有する33患者33病変を対象とし、IVIM解析の有用性についてADC値との比較も含め、検討した。その結果、IVIM解析から得られるパラメータを単独で使用した時の診断能はADC値による診断能におよばなかったが、パラメータを組み合わせることにより診断能が向上し、ADC値の診断能を上回った。この研究成果については英語論文” Comparison of accuracy of intravoxel incoherent motion and apparent diffusion coefficient techniques for predicting malignancy of head and neck tumors using half-Fourier single-shot turbo spin-echo diffusion-weighted imaging”として、学術雑誌 Magnetic Resonance Imagingに現在、投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
IVIM MRイメージング撮像法の変更を最終決定するまでにMRI装置メーカーとの交渉に時間を要した。また、MRIファントームについては当初予定していた購入額以上の価格であったため前倒し請求が必要であったこと、受注生産であったため納期までに3ヶ月以上要したことなどもあり、全体の達成度としてはやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
変更したIVIM MRイメージング撮像法であるEPI法について、画像の歪みが最小限になるよう最適化したものを今後、使用するが、MRIアプリケーションのバージョンアップによりEPI法の画質向上が期待される。その際には、最適化を再検討する。 最適化されたEPI法による拡散強調画像を含むMRIが施行された頭頸部腫瘤性病変を有する患者のうち、最終診断が得られた病変について、IVIM解析を行い、拡散現象および灌流現象と病変の良悪性との関連性について評価し、良悪性を鑑別するための最適なクライテリアを決定する。また、臨床で使用されているADC値による良悪性鑑別との診断精度について比較する。 MRI検査が施行された舌癌患者のうち、最終診断の得られた症例について、病変のIVIM解析を行い、外科手術後の悪性度や転移の有無などの最終診断との関連性について評価する。 これらについては東京医科歯科大学歯学部附属病院における倫理審査委員会承認のもと、レトロスペクティブ研究として行う予定である。これらを平成26年度および27年度に実施する。得られた結果をまとめ、適宜、成果の発表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
英語論文” Comparison of accuracy of intravoxel incoherent motion and apparent diffusion coefficient techniques for predicting malignancy of head and neck tumors using half-Fourier single-shot turbo spin-echo diffusion-weighted imaging”の英文校正について、当該年度残額を上回る見積額であったため、次年度予算での使用とした。よって、次年度使用額が生じた。 画像データの解析結果を保存するための記録媒体の購入および最新情報を収集するための書籍の購入を予定している。また、成果については学会および英語論文の投稿を予定しているため、旅費および英文校正費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)