2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861786
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安生 智郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (10396989)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯内治療学 / レーザー / Er:YAG / OCT |
Research Abstract |
ブタ下顎骨から採取したプレートに一定の深さに溝を形成した。そこに、形成面と反対方向からSS-OCT(波長走査型光干渉断層装置)を用いて、形成した溝を測定した。同一の試料を、マイクロフォーカスX線CT(精密型X線干渉断層装置)を用いて正確な深さを測定し、SS-OCTによる深さの計測の正確性を調べた。その結果、厚さ0.78~1.19mmの範囲であれば、SS-OCTによる深さの測定は可能であった。(J. Ding, S. Watanabe, T. Anjo, Y. Iino, C. Kokuzawa, A. Ebihara, H. Suda: The ability of optical coherence tomography to image bone lesion: comparison between porcine Maxilla and Mandible, P115, 第138回日本歯科保存学会でポスター発表) この実験の目的は、保存修復処置における歯の窩洞形成・う蝕除去の際に、実際臨床応用可能な、SS-OCTによる測定で、形成した窩洞と歯髄腔の距離を測定することである。SS-OCTで測定することにより、過度な形成による露髄という偶発事故を防ぐことができる。この試作型SS-OCTは、専用のホルダーを用いることで実際に臨床応用して、チェアサイドでリアルタイムにモニターで確認することが可能であるので、本実験の基礎的データは、非常に有用であるといえる。 また、現在Er:YAGレーザーを用いた根管洗浄(laser-activated irrigation)についても研究を進めており、これについても基礎的研究を積み重ねている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、出来る限り既存の設備を用いて、SS-OCTも貸与で用いることで迅速にデータの収集と統計・解析を行うことが出来た。in vitroであるが、有効なデータを集めることに成功したので、研究の進捗状況としては順調と言って差し支えないと考える。 本研究による研究成果により、すでに、第138回日本歯科保存学会春季大会で1つの演題(J.Ding et al, The ability of optical coherence tomography to image bone lesion: comparison between porcine Maxilla and Mandible)でポスター発表している。また、第139回日本歯科保存学会で関連の研究テーマで3つの演題(佐竹和久ら、Er:YAGレーザーを用いた根管洗浄時に生じる根尖孔外の圧力-照射距離による影響-など)で発表されており、研究成果としては十分と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
SS-OCT(波長走査型光干渉断層装置)の歯内療法学への臨床応用への研究については、研究発表という形で、一定の成果を得たと考える。今後論文の形でまとめることが必要と考える。 現在研究テーマは、Er:YAGレーザーを用いた根管洗浄(laser-activated irrigation)の有効性の評価に移っており、それに関する研究を進めていく予定である。根尖部の根管の形態変化を起こさず、根尖に過度な圧力をかけずに洗浄を行うには、専用のコンタクトチップと適切な照射条件(エネルギー設定、根管との適合性)を見つけることが不可欠である。しかし、実際の臨床では根管の形態は様々であり、臨床に即した適切な条件を見つける事が課題となる。また、Er:YAGレーザーによる照射に形態学的変化についても評価が必要と考える。よって、走査型電子顕微鏡による撮影で、スメアー層の有無や象牙細管の開口の度合いなども評価していく予定である。
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