2015 Fiscal Year Research-status Report
コラーゲン分解酵素阻害剤と再石灰化作用を持つ”自己強化型接着システムの開発”
Project/Area Number |
25861792
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 礼奈 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (40613609)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 象牙質透過性 / ハイドロキシアパタイト |
Outline of Annual Research Achievements |
接着システムを象牙質に塗布した場合の象牙質透過性の経時的変化を測定、またin vitroにおける保存液についての検討を行なった。これまでのin vitroの研究では、試料の保存液として脱イオン水が使用されており、口腔内環境とは大きく異なっていたと考えられる。 本研究では、保存液(脱イオン水と人工唾液)によって、レジンコーティング(Clearfil SE Bondのみ、あるいはClearfil SE BondとClearfil Protect Liner F)の有無による象牙質透過性の経時的変化を1、30、90日後に評価し、さらに走査電子顕微鏡にて観察した。 コーティングなしの場合、脱イオン水保存群では30日後まで象牙質透過性が増加した後、一定に達したが、人工唾液保存群では、30日後まで象牙質透過性が低下した後に一定に達した。象牙質表面にレジンコーティングを施した場合、1日後では象牙質透過性が著しく低下した。その後、脱イオン水保存群では1日後に比べて90日後では象牙質透過性が上昇した。一方、人工唾液保存群においては、1、30、90日後で象牙質透過性に変化は認められなかった。さらにレジンコーティングを行う材料の違いによって象牙質透過性に違いが生じ、Clearfil SE BondとClearfil Protect Liner F を併用することにより、Clearfil SE Bond単独使用よりもさらに象牙質透過性が低下した。走査電子顕微鏡観察の結果は、人工唾液保存群においてのみ象牙質表層に沈着物の存在が確認された。脱イオン水と人工唾液では、象牙質に対する反応が異なるため、in vitroの実験における保存液として人工唾液を用いることが推奨される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
再石灰化作用を持つ接着システムについて検討していた過程において、surface pre-reacted glass ionomer fillerは各種イオン除放能を有しており、酸性条件下においても接着システム周囲歯質に脱灰抑制能があることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
この現象の経時的変化を波長掃引型光干渉断層計を用いて解析を行なっている。
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Causes of Carryover |
追加で研究を行う必要が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分析機器消耗品、保守整備経費、成果発表に使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Root caries management: Evidence and consensus based report2016
Author(s)
Yasuko Momoi, Akihiko Shimizu, Mikako Hayashi, Satoshi Imazato, Masako Unemori, Yuichi Kitasako, Shisei Kubo, Rena Takahashi, Shozi Nakashima, Toru Nikaido, Masayoshi Fukushima, Morioki Fujitani, Chinami Yamaki, Kenichi Sugai
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Journal Title
Current Oral Health Reports
Volume: 30
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed
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