2013 Fiscal Year Research-status Report
歯髄炎に伴う神経・グリア細胞の相互作用に関する総合的研究
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25861793
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
河村 隼 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20634083)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 歯髄 / ニューロン / グリア細胞 / ミクログリア / アストロサイト |
Research Abstract |
“歯科基礎医学的研究”では、実験的歯髄炎を惹起させた動物実験において歯髄神経の持続的興奮に伴う中枢神経系内の動態に対して生理学的解析・免疫組織学的解析・遺伝子発現解析(NMDAR、MK801、p38MAPK等)を行い、さらに、中枢神経系内の歯髄駆動ニューロンとその周囲に存在するグリア細胞(ミクログリアやアストロサイトなど)の相互作用に対しても同様に解析を行った(GFAP、p38MAPK、P2X4受容体、IBA-1、MHCclassII、CD80、Toll様受容体等)。また、“臨床歯科医学的研究”では、歯髄疾患、特に不可逆性歯髄炎や根尖性歯周炎に罹患していると診断された患者で顎顔面領域に難治性の痛みを訴える者について、その原因の解明並びに痛みの除去に必要とした治療法の種類と治療期間、さらには疼痛消失前後における患者心理の変化(Visual Analogue Scale、Numerical Rating Scale等を使用)、患者の呈する症状の変化と診療行為との関係を調査し、必要に応じて、歯科用CBCT撮像を行い臨床的総合的に分析した。 しかしまだ、歯髄疾患に伴う痛みの中枢細胞間の相互作用については十分に解明されているとはいえず、引き続き、難治性疼痛の病態を詳細に分析し、ひいては有効な治療方法を解明する必要がある。 今後は、特に歯科基礎医学的研究において、生体警告系である痛みを難治性疼痛へと移行させる重要な役割を担っていることが解明されてきたミクログリアに注目し、活性化したミクログリアに特異的に発現増加する複数の因子について解析を行う予定である(炎症応答に必要とされる様々な遺伝子群の発現誘導など)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験的歯髄炎を惹起させた動物実験において歯髄神経の持続的興奮に伴う中枢神経系内の動態に対して免疫組織学的解析、遺伝子発現解析を行うことで、中枢神経系内の歯髄駆動ニューロンとその周囲に存在するグリア細胞(ミクログリアやアストロサイトなど)の相互作用を解析することができた。そして、研究成果を国内外の学会(日本歯科保存学会、IADR-ASIA)において発表するとともに、得られた結果をJournal of Endodonticsに共著者として論文掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、実験動物として糖尿病モデルのラットを主に用いて、実験的歯髄炎を誘発し、平成25年度と同様の検索を行う予定であったが、生体警告系である痛みを難治性疼痛へと移行させる重要な役割を担っていることが解明されてきたミクログリアに注目し、これまで通り、疾患モデルではない通常のラットも用いて、活性化したミクログリアに特異的に発現増加する複数の因子について解析を行う(炎症応答に必要とされる様々な遺伝子群の発現誘導など)ことを検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究で計画している基礎的研究において使用する予定の研究設備・機器の大部分は、これまでに申請者の研究協力者が受けてきた科学科研費補助金等の助けを借りて整備できていたため。 既設置の研究設備・機器のなかには耐用年限を迎える機器、あるいは部品の購入が必要な機器がある。また、年度末の研究計画の再検討により、新たな薬品類(試薬・麻酔薬・抗体)、実験動物の購入も引き続き必要となる。その他の研究費予算は消耗品費、学会発表などの旅費、論文別刷などの費用である。臨床的研究についての費用は調査用紙の印刷費用やデータ解析用ソフトウェアの費用が必要である。
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Research Products
(3 results)