2014 Fiscal Year Research-status Report
実験的歯髄炎におけるトランスポーターを介したプロスタグランジンE2輸送機構の解析
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25861794
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大倉 直人 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (00547573)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トランスポーター / MRP4 / PGT / EP2 / EP4 |
Outline of Annual Research Achievements |
膜輸送担体(トランスポーター)は細胞膜を介した物質輸送に与るタンパク質で、細胞の生存維持や特異機能の発現に寄与することが知られているが、歯髄での発現解析は全く行われていない。また、プロスタグランジン(PG)E2は歯髄炎の代表的化学伝達物質であり、トランスポーターによる細胞外輸送を経てレセプターと結合することで機能を発揮すると考えられるがその輸送機構は歯髄に限らず不確定である。 申請者はこれらの点の解明の緒端として、ラット歯髄炎モデルにおける各種トランスポーターおよびレセプター群の遺伝子発現解析あるいは免疫組織化学的解析を行い、炎症歯髄におけるトランスポーター群の役割について、特にPGE2輸送機構に着目して検索しようとするものである。 H25年度には歯髄炎モデルラットを用いて血管内皮細胞でPGE2が合成され、multidrug resistance assosiated protein 4 (Mrp4)あるいはprostaglandin transporter (Pgt)によって膜輸送されている可能性が示唆された。 H26年度にはヒト歯髄組織での局在解析をまず行ったところ、MRP4、mPGES、レセプターのEP2およびEP4が象牙芽細胞および血管内皮細胞に発現している事が明らかとなった。さらに、LPSを添加したヒト歯髄組織を1週間培養した系ではEP2およびEP4のmRNAレベルが著明に増加したことが確認された。以上のことから、ヒト歯髄組織において象牙芽細胞および血管内皮細胞ではMRP4を介したPGE2輸送後、EP2およびEP4レセプターを介して機能を発揮する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト歯髄組織におけるトランスポーター局在解析は本研究課題達成の基盤的部分であるため、これに関する検索を詳細に行った。そのため、次段階の検索がやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
次段階の探索としてヒト歯髄組織細胞での機能解析を予定しており、すでに初代培養株は作製済みであり、検索段階にある。また、ヒト歯髄組織培養系の評価も実施されており、一定の成果を挙げているため、こちらも今後の検索に多くの結果が見込まれる。以上のことから、課題達成のために段階的に検索を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた細胞培養実験の材料となるヒト歯髄組織の供給が大幅に遅れたため、実験施行されず、研究費を使用することが出来なかった。 今年度は、サンプル供給が可能となり、繰り越し分を今年度、当研究に当てることとする。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ヒト歯髄細胞を用いたプロスタグランジントランスポーターおよびレセプターの機能解析を行う予定
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[Presentation] う蝕治療のトピックス2014
Author(s)
大倉直人
Organizer
第2回分子薬剤学セミナー
Place of Presentation
富山大学薬学部 (富山県富山市)
Year and Date
2014-11-15 – 2014-11-15
Invited
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