2013 Fiscal Year Research-status Report
実験的根尖性歯周炎における血管新生関連因子の局在および遺伝子発現解析
Project/Area Number |
25861795
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山中 裕介 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70649318)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血管新生 / NFκB decoy / 血管新生関連因子 |
Research Abstract |
ラット臼歯実験的根尖性歯周炎の病態に対する血管新生関連因子阻害剤(NFκB decoy)の影響について、平成25年度はNFκB decoyの投与条件の確立を行なった。 NFκB decoy群(実験群)およびNFκB decoy scramble群(対照群)の根尖病変のデンタルX線撮影による大きさの変化の評価を、the 9th World Endodontic Congress (IFEA2013.5.23~26)にて報告した。また、血管内皮細胞マーカーであるCD31ならびに、血管新生関連因子であるB-cell lymphoma-2 (Bcl-2)およびBcl-2-associated protein (Bax)の根尖病変内における発現を、免疫組織化学的に検索した。さらに、根尖病変内の血管内皮細胞をレーザーキャプチャーマイクロダイゼクションにより摘出し、血管内皮細胞におけるBcl-2およびBax mRNAの発現をリアルタイムPCR法にて解析した。これらの結果は日本歯科保存学会2013年度春季学術大会(2014.6.27,28)にて報告した。 平成25年度の研究から、血管新生関連因子阻害剤であるNFκB decoyを投与することで、ラット臼歯に実験的に惹起した根尖病変が、有意に縮小することが分かった。また、根尖病変内の血管内皮細胞マーカーであるCD31陽性細胞密度の減少ならびに、血管新生関連因子であるBaxの血管内皮細胞内におけるmRNA発現の上昇を認めた。これらの結果から、根尖性歯周炎の成立には、NFκBからBcl-2ファミリーへの伝達経路が深く関与していることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験方法、各検索項目に対する検出条件は概ね確立していたが、根尖病変形成に4週間要することから、血管新生関連因子阻害剤であるNFκB decoyの投与条件の確立に時間がかかってしまったため。 また、動物実験施設の改修工事のため動物飼育が一定の条件で行なえない時期があったため、予定よりn数を増やすことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、n数を増やして行く。検索項目に対する検出の再現性を高める。 研究計画では、血管新生における強力な増殖因子であるVEGFの産生阻害を目的として、COX-2阻害剤の使用を検討していたが、VEGFと直接競合阻害するVEGF neutralizing antibodyを使用することに変更する。これにより、より直接的な血管新生の阻害が見込まれる。阻害剤の種類は変更となるが、予定通り使用条件の確立を行なう。 さらに、研究計画に追加して、ヒトにおいても、NFκBからBcl-2ファミリーへの伝達経路の血管新生への関与を解明するために、ヒト皮膚微小血管内皮細胞を用いた培養実験も遂行していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験施設改修により動物実験が遂行できなかったため、予定より動物購入予算が残ってしまったため。 n数を増やすための動物購入費にあてる。また、培養実験に必要となる備品の購入費として使用する。
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Research Products
(6 results)