2013 Fiscal Year Research-status Report
歯髄炎の病態形成におけるAlarminレセプターの機能解析
Project/Area Number |
25861803
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
平尾 功治 徳島大学, 大学病院, 助教 (00581399)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯髄炎 / alarmin / MINCLE / 象牙芽細胞 |
Research Abstract |
【抜去歯資料の採取並びに歯髄細胞の培養】 う蝕に罹患せず,健全な歯髄を有する抜去智歯を無菌的に切断し歯髄を摘出,細切しout grows法にて培養を行い,ヒト培養歯髄細胞を得,5~10代継代し実験に供した。また,5代以下の継代数の細胞を多数保存し,今後の研究に使用する予定としている。 【ヒト培養歯髄細胞,ラット象牙芽細胞様細胞,樹状細胞様細胞のalarmin 発現解析】 上述した培養ヒト歯髄細胞は各種alarminを産生することがPT-PCR法、ELISA法の結果から明らかとなった。ラット象牙芽細胞、樹状細胞については現在調査中である。 【歯髄構成細胞におけるalarminセレプターの発現ならびに機能解析】 ラット象牙芽細胞、並びにヒト単球様細胞(THP-1)において、alarminレセプターである、Macrophage-inducible C-type lectin (MINCLE)の発現が認められた。また、ラット象牙芽細胞において、細菌関連因子(Pathogen-Associated Molecular Patterns; PAMPs)の一種であり、NOD1にて認識されるiE-DAP刺激にて、MINCLE mRNAの発現増加が認められた。一方、THP-1細胞においては、Streptococcus mutansや各種PAMPs刺激によって、MINCLE mRNA発現が増加することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、ヒト培養歯髄細胞の初代培養を行い、実験に供することができた。また、歯髄構成細胞である、ラット象牙芽細胞株の培養も行っており、今後の研究に使用する予定である。これらの細胞を用いた解析の結果、alarminの産生ならびにalarminレセプターの発現を確認した。 現在、alarminレセプターであるMINCLEに着目し解析を行っており、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究計画についてはおおむね順調に推移しており、今後これらの解析を更に進める予定である。今年度は当初の予定通り、臨床歯髄サンプルにおけるalarmin発現の解析を行うとともに、平成25年度の研究成果より、歯髄炎発症のキーファクターである可能性が示唆されるMINCLEに着目し、その発現と機能についても、臨床歯髄サンプルを用い解析する。さらに、MINCLEを阻害することで歯髄炎を抑制できるかについても検討する。 なお、購入機器の変更のため、蛍光色素を用いた解析に代わり、従来の壊死細胞判定法を用いる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究はおおむね順調に進展しているが、次年度使用額が生じている。これは、当初予定していた、イメージベースサイトメーターに変わり、バイオクリーンベンチの購入が必須になり、購入金額に差額が生じたものである。 備品の購入計画に変更が生じたため、当初予定していた蛍光色素を用いた検出システムに変え、DNA断片の検出のためにTUNEL染色を行う予定としており、これら試薬の購入に次年度使用額を使用する予定である。
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