2013 Fiscal Year Research-status Report
歯根肉芽腫におけるmidkineの発現と機能的役割
Project/Area Number |
25861812
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
羽鳥 啓介 日本大学, 歯学部, 助教 (30632583)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 根尖性歯周炎 / 歯根肉芽腫 / midkine / CXCL12 / CXCL13 / CX3CL1 |
Research Abstract |
平成25年度は以下の研究計画に基づき良好な結果を得た。①試料採取および病理組織学的検索:外科処置が適応の被験者から根尖病巣組織を採取した。採取したサンプルを二等分し、一方を用いてパラフィン薄切切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン染色を施した。その結果、58の根尖病巣サンプルのうち歯根肉芽腫は50サンプルであった。②蛍光二重免疫染色:midkine抗体およびchemokine抗体を用いて、蛍光二重免疫染色を行った結果、歯根肉芽腫中の血管内皮細胞からの発現を認めた。③リアルタイムRT-PCR法:歯根肉芽腫サンプルと健常歯肉サンプルからRNAを抽出し、相補的DNAを作製後、リアルタイムPCR法により、遺伝子発現を検索した結果、歯根肉芽腫でのmidkineおよびchemokine遺伝子発現は健常歯肉に比べ、有意に高かった。 上記①から③で得られた結果は申請書に記載した仮説に基づいており、難治性根尖性歯周炎である歯根肉芽腫中でのmidkine、CXCL12、CXCL13およびCX3CL1が健常歯肉に比べ、有意に高く発現していることが示された。 これら一連の研究活動から、平成25年度において国内関連学会で研究業績を発表することができた。さらに、現在この研究結果を海外学術雑誌に投稿中である。今後は、これまでに得られた研究成果をもとに、さらなる研究を遂行し、歯科治療において、患者の歯を喪失する原因の1つである根尖性歯周炎の発生機序の解明をしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度予定分としていた歯根肉芽腫中でのmidkineおよびchemokine発現の研究計画は現在、海外学術論文投稿中であるため、上記区分とした。この達成理由として綿密な研究計画をたて、研究協力者との定期的なグループディスカッション等を参考にし、研究を遂行したためと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者から採取した根尖性歯周炎中の血管内皮細胞からのmidkineおよびchemokine発現を認められ、その機能を検索するため、今後はin vitro において、ヒト血管内皮細胞からのmidkineとchemokine発現を検索する。その後、ヒト血管内皮細胞および白血球のcell lineの共培養を行い、midkineによる細胞遊走能を検索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度に使用する予定であった器具、抗体と試薬等が実験を遂行するために必要と思われていた量より少ない量で結果を出すことができ、購入を予定していたものを購入せずに済んだためと思われる。 in vitroにおいて、ヒト血管内皮細胞および白血球のcell lineの共培養を行い、midkineの細胞遊走能の検索するため、培養細胞、抗体および試薬などに使用していく予定である。
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Research Products
(4 results)