2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯根肉芽腫におけるmidkineの発現と機能的役割
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25861812
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
羽鳥 啓介 日本大学, 歯学部, 助教 (30632583)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | midkine / CXCL12 / CXCL13 / CX3CL1 / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は以下の研究計画に基づき以下の結果を得た。①ヒト血管内皮細胞からのmidkineおよびchemokine発現:予め3~4代培養したヒト血管内皮細胞を24穴プレートに播種し、50ng/mlに調整したTNF-αとIFN-γを培養液に添加し、それぞれ2、4、8、12、24、32、48時間培養を行った。その際、コントロールとして未処理のヒト血管内皮細胞も同様に培養した。培養後RNAを抽出し、リアルタイムRT-PCR法により遺伝子発現を比較解析を行った。その結果、midkineおよびCX3CL1遺伝子発現は刺激群において、コントロール群と比較し有意に高く、培養後、72時間で最高であった。CXCL12においては刺激群においてコントロールと比較して、培養後12時間で有意に低くなった。CXCL13は刺激群とコントロール群で有意差は認められなかった。②midkineが白血球に及ぼす影響:ヒト血管内皮細胞(HUVEC)、白血球のcell lineであるDaudi(B cell line)、Molt-4(T cell line)およびU-937(monocyte cell line)を用いる。使用する細胞を3~4代培養後、24穴培養プレートとinsert cell cultureを使用し、upper chamberにHUVECを播種し、単層形成させた。その後、炎症性サイトカインで刺激した白血球のcell lineに蛍光標識し、upper chamberにHUVECの上に播種し、共培養を行い、lower chamberに落下した細胞数をプレートリーダーで測定した。その結果、刺激群ではコントロール群に比べ、落下した細胞数は多かったが有意差は認められなかった。 上記①、②で得られた結果は申請書に記載した仮説に基づいおり、血管内皮細胞からのmidkine発現は炎症モデルにおいて有意に高く発現していることが示された。 これら一連の研究活動から、平成26年度に国内外関連学会で研究業績を発表することができた。今後、これまでに得られた研究成果にさらなる研究を遂行し、歯科治療において患者の歯を喪失する原因の1つである根尖性歯周炎の発生機序の解明をしていく。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Involvement of trigeminal transition zone and laminated subnucleus caudalis in masseter muscle hypersensitivity associated with tooth inflammation.2014
Author(s)
Shimizu K, Matsumoto K, Noma N, Matsuura S, Ohara K, Komiya H, Watase T, Ogiso B, Tsuboi Y, Shinoda M, Hatori K, Nakaya Y, Iwata K
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Journal Title
PLos One
Volume: 9
Pages: e109168
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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