2013 Fiscal Year Research-status Report
新しいラジカル殺菌技術の生体安全性評価ー発癌リスク評価を中心にー
Project/Area Number |
25861820
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 栄成 東北大学, 大学病院, 助教 (60375102)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ラジカル殺菌 / ヒドロキシルラジカル / 生体安全性 |
Research Abstract |
我々は、低濃度過酸化水素に可視光を照射することで高効率にヒドロキシルラジカルを発生させ、ヒドロキシルラジカルが有する強力な殺菌力を口腔内感染症に応用するという全く新しいラジカル殺菌技術の開発を行ってきた。このラジカル殺菌技術を歯科応用するためには、長期使用した場合の生体安全性を評価することが重要となる。本研究の目的は、発がん性という観点から生体安全性を詳細に検討し、新しいラジカル殺菌技術が歯科臨床応用されるための基礎的な検討を行うことを目的とする。 平成25年度は、上記の目的を達成するための前段階の実験として、本殺菌法の安全性をin vivo で検証するために以下の実験を行った。1.ヒトでの適用部位に相当するラットの口腔粘膜組織に対する直接的影響について組織学的な検討を行う。2.角質を含めた表皮層による保護がない状態での皮膚組織構成細胞に対する影響を全層皮膚欠損創モデルで調べる。 実験には雄性Wistar系ラット(SPF)5週齢を用い、試験は①水対照群、②水+レーザー照射群、3.過酸化水素群、④過酸化水素+レーザー照射群の4群に分けて行った。 実験の結果、以下のことが分かった。1.作製直後の創傷部面積は、両群間でほぼ同じ値であった。2.体重は、創作製翌日は両群ともに減少傾向を示したが、その後は両群とも同様に増加した。3.創傷部面積は、両群とも経日的に縮小した。4.過酸化水素+レーザー群では、対照群よりも創傷部面積は低く推移する傾向にあった。5.分散分析の結果では、対照群と過酸化水素+レーザー群の間で創傷部面積の推移に有意差が検出された。 以上の結果より、本殺菌装置の生体安全性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で予定していた実験を予定通り遂行することができ、なおかつ予想していたとおりの結果であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度も、申請時に提出した計画書通りに研究を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)