2015 Fiscal Year Annual Research Report
大迫コホートを用いた前向き研究による咀嚼機能と食物摂取・栄養状態との関連の検証
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25861821
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三好 慶忠 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (10508948)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 咀嚼機能 / 疫学調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
咀嚼機能の低下は、摂取する食品選択の制限、嗜好の変化を惹起し、栄養の質や量を低下させ、低栄養危険を増加させると考えられる。本研究では、グミゼリーを用い客観的に評価された咀嚼能力と栄養状態・食物摂取状況との関連を疫学的手法を用いて解析することを目的とした。対象は、岩手県大迫町在住のADLの自立した一般地域住民とし、研究内容について十分に説明を行い、平成25年度から平成27年度までの間、研究協力の同意の得られた374名(女性140名)に対し調査し、これまでの調査結果と合わせて841名(女性296名)のデータを解析した。口腔保健・食習慣・口腔衛生状態に関するアンケート調査と歯科検診(現在歯、欠損歯、咬合支持数、欠損補綴状況)、歯周検査、パノラマエックス線写真撮影および血液生化学的検査、高血圧、動脈硬化、当代謝異常、認知機能、うつ傾向などについての調査を行った、今年度は大迫町保健センターにおいて5回の検診を行い、グミゼリーを用いた咀嚼機能評価には113名(女性42名)から協力が得られた。それぞれ3回試験を施行し、平均値を算出し、各個人の値とした。最大値は、585.0mg/dl 最小値は18.0 mg/dl、 平均値は320.7.7±129.7 mg/dlであった。アイヒナー分類Aでは442.2±60.3 mg/dl Bでは、324.1 ±105.8mg/dl Cでは、240.9±110.3 mg/dlであり咬合支持域の減少とともに咀嚼能率は低下した。またアンケート調査で過去3か月間において「食べにくいものを避けて食事をした」と回答した群では、咀嚼能率が低い傾向がみられ、咀嚼機能が食品摂取状況へ影響を及ぼしていることが示唆された。
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