2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861830
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩城 麻衣子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70544500)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 補綴系歯学 / 歯科理工学 / 義歯床用材料 |
Research Abstract |
義歯装着者にとって,義歯の衛生管理は口腔の健康を保つ上で重要である.しかし,義歯材料として最もよく使われている義歯床用アクリルレジンには,特有の微生物の付着を始め汚染や劣化等改善すべき課題が未だ残されている.特に義歯の汚染は,義歯装着者の口腔内環境を悪化させるだけでなく,誤嚥性肺炎や日和見感染等全身状態にまで影響を及ぼす可能性があり,早急に解決すべき問題の一つである.そこで,すでに医療器具に使用されている化学蒸着法(CVD)によるコーティング技術を義歯にも応用し,「汚れない義歯」の作製を検討することとした.本研究の目的は,化学蒸着法(CVD)による義歯床用材料の表面改質について基礎的評価を行うことである. この技術によるコーティングは,医療器具,電子部品,自動車や航空・宇宙部品などで実用化されており,特に医療分野ではすでにステント・カテーテル・内視鏡などにも使用されており,人体への安全面に問題がない点も注目すべき点である.この方法によると,スプレー式や浸漬式のコーティングと比較し,均一な膜厚で基材の形状を正確に再現することが可能である.また,蒸着は室温で行われるため,義歯の変形を招く心配もない. まず,義歯床用加熱重合レジンにて作製した試験片に対し,前処理としてエタノール超音波洗浄を5分,乾燥後プラズマ処理を施しコーティングを行った.コーティング後の試料の接触角を測定した結果,コーティング後に接触角の増加が見られた.このことは,レジン表面の撥水効果の増加を示す.また,着色性溶液への浸漬試験を行い,浸漬前後の試料の色差を計測し,コーティング処理を行っていない試料との比較を行った.今後,前処理の再検討を行い,表面性質の評価および抗菌試験を継続して行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前処理の方法について予備実験に時間がかかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
コーティング用のレジン試料を再作製し,コーティング処理を施した試料についての抗菌効果を評価を行う予定である. その結果により,コーティングの膜種の再検討を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予備実験の進行状況により,当該年度に購入予定であったパソコンおよび試験機の購入を次年度に持ち越すこととなったため. 研究遂行に必要な試験機器やパソコン(ハードおよびソフト)の購入を含め,次年度は予定通り全額使用予定である.
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