2014 Fiscal Year Annual Research Report
定量的感覚閾値測定法の確立とインプラントにおける咬合調整への応用
Project/Area Number |
25861849
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
後藤 崇晴 徳島大学, 大学病院, 特任講師 (00581381)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インプラント / 口腔感覚 / 近赤外分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、振動、厚さ、硬さ等、様々な刺激と最新の精神物理学的手法を用いて、天然歯およびインプラントの定量的感覚閾値測定法を確立し脳機能活動との関連を調査するものである。我々が昨年度報告したインプラントと天然歯の口腔感覚に関するメタアナリシスの結果を踏まえて本年度、口腔内に対する振動刺激の変化が脳機能活動に与える影響を、近赤外分光法を用いて検討した。被験者は、欠損および顎口腔機能に異常が認められない健常有歯顎者5名とした。近赤外光脳計測装置を用いて前頭前野の脳血流量を測定した。口唇、中前歯、第一大臼歯に加えて、他の体性感覚との比較を行うために皮膚表面5か所(合谷、心包区、内踝)、指先(親指・示指)を加えた、計7か所に刺激を与えた。同様の実験系を用いて咀嚼刺激、味覚刺激も追加のタスクとして設定した。味覚刺激には旨み・甘味・塩味・苦味・酸味・無味の5種類の試験液を舌上に2.5 ml滴下した。また、味覚刺激を行う前に咀嚼刺激を行った場合も同様に計測した。振動刺激においては、皮膚への刺激と比較して口腔内へ刺激したほうが脳血流量は増加し、とくに口唇と合谷、中切歯と合谷の間に有意な差が認められた。また、咀嚼刺激と味覚刺激それぞれ単独の刺激のみでは、前頭前野の脳血流量は増加せず、むしろ低下する傾向が認められた。精神物理学的手法を用いた閾値に関しては、被験者ごとの誤差は大きかったが、各個人での再現性は高く一定の傾向を有することが示された。評価項目や測定時間を変更に伴い被験者の募集が遅れたためインプラント治療を施行した被験者での測定が未実施であるが測定器材、材料はすでに購入済みであるため、今後スムーズに研究を行うことが可能である。今後インプラント治療を施行した被験者に対して臨床試験を行う予定である。
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Research Products
(3 results)