2014 Fiscal Year Research-status Report
炭酸カルシウム複合化レジンとBMP-2含浸アテロコラーゲンを用いた骨増生法の開発
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25861878
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中塚 愛 北海道大学, 大学病院, 助教 (00547648)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 4-META/MMA-TBBレジン / 炭酸カルシウム / TCP / BMP-2 / 骨増生 |
Outline of Annual Research Achievements |
炭酸カルシウムまたはαTCP粉末を0、40、60%混合した4-META/MMA-TBBレジンのポリマー粉末に、モノマー液とキャタリストを加えて、骨膜剥離したラット頭蓋骨に接着し、さらに、レジン硬化前にBMP-2を含浸させたアテロコラーゲンで覆う群を作製した。2、8週後に脱灰薄切標本を作製、HE染色によりレジン上面の骨新生量、複合化レジン上面の骨とレジンの接触面積を組織計測した。その結果、BMP-2を用いない群では、炭酸カルシウム、αTCP濃度が高い方がレジン上面の骨新生量は多く、また、レジンと新生骨の直接接触している面積は大きかった。しかし、BMP-2を用いた群と比較すると、その骨新生量は少なかった。BMP-2を用いた群では、炭酸カルシウム、αTCPの濃度に関わらず、レジン上面を覆うように新生骨の形成が認められた。さらに、炭酸カルシウム、αTCPの濃度が高いと、新生骨とレジンの直接接触する面積が大きくなった。 このことから、4-META/MMA-TBBレジンに炭酸カルシウム、αTCPを混和し、さらにBMP-2を併用すると、硬化したレジンの表面に骨新生が可能と考えられ、骨欠損が大きい場合にも、内部がレジン、外表面は新生骨という構造で大きな骨を作ることができると思われた。また、レジン外表面の骨がレジンと結合していれば、新生骨に靭帯が結合するなど機能を回復しても、大きい負荷に耐えられるようになり、骨セメントとしてその用途が広がると示唆された。 今後、ビーグル犬の歯槽骨に大きな骨欠損を作製して、可能な骨増生量を評価していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
4-META/MMA-TBBレジンに混和する炭酸カルシウムまたはαTCPの至適含有量は決定でき、BMP-2の有効性も確認できているが、北海道大学医学部動物実験施設の改修工事のため、ビーグル犬を使用した実験が行えるようになったのが11月頃からであり、その分実験開始が遅くなった。現在試料を埋植した段階で、標本作製までは至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
炭酸カルシウムとαTCPをそれぞれ40%、60%含有した4-META/MMA-TBBレジンとBMP-2を含浸させたアテロコラーゲンを、ビーグル犬の前臼歯部に作製した骨欠損部に埋植し、どのぐらいの骨増生が可能かを評価する。
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Causes of Carryover |
未使用額362,245円は、動物実験施設の改修により、ビーグル犬を用いた実験の開始が遅れたために生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も、動物実験を継続し、病理組織学的評価を行うため、実験動物(ビーグル犬)や薬品類、ガラス器具やプラスチック器具類を主体とし、さらに学会発表や論文投稿に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)